【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 就任したばかりのイスマイル・サブリ・ヤアコブ新首相は、今週中に内閣閣僚人事を発表すると言明。ただ野党を取り込んだ挙国一致内閣にはならないとの見通しを示した。
イスマイル・サブリ首相は、野党からの協力の申し出に対して感謝を示した上で、「野党と協力するというのは野党を入閣させることを意味している訳ではない」と言明。野党からの意見は新型コロナ対策特別委員会と国家復興評議会(MHN)を通じて聞くことができると述べた。
また副首相をサラワク政党連合(GPS)から選出するとの噂については、検討を行なっていることを認めた上で、巷に出回っている様々な憶測については「すべてデマであり信じないように」と強調。正式発表まで待つように呼び掛けた。GPSは下院議会で18議席をもつ有力政党であり、ムヒディン・ヤシン前首相辞任後の後任人事についてはかなり早い時期からイスマイル・サブリ氏を支持する意向を示していた。
副首相人事については、ムヒディン前首相が党首を務め31議席を保有する統一プリブミ党(PPBM)から選出するとの見方が有力だが、PPBM内ではハムザ・ザイヌディン書記長とアズミン・アリ前上級相が争っているとされる。イスマイル・サブリ氏が総裁補を務める統一マレー国民組織(UMNO)内からは副首相もUMNO内から出すべきとの声もあり、こうした声を受けてアズミン氏がPPBM内のシンパを連れてUMNOに電撃移籍するとの噂もある。