【クアラルンプール】 連邦政府は、10月から厳格化されることになっていた外国人の長期滞在を奨励するマレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)プログラム参加条件について、既存のビザ取得者に追加されるのは年間ビザ費用増額と滞在義務の2項目のみと発表した。
既存のビザ取得者を対象とした譲歩は、ハムザ・ザイヌディン内務相が第12次マレーシア計画(12MP)関連の国会質疑で明らかにした。新たな条件は改正も含めて10項目あるが、既存のビザ取得者は既存の条件以外に、▽年間ビザ費用の90リンギから500リンギへの引き上げ▽年間90日間のマレーシア滞在義務化 ーーの2項目のみが求められる。
8月に発表された新条件では、ビザ有効期間の10年から5年への短縮、年間ビザ費用増額、滞在義務などが盛り込まれたが、特に問題視されていたのが資産証明に関する条件の厳格化。これまで月1万リンギだった海外所得が4倍の4万リンギに、これまで35万—50万リンギだった銀行への定期預金額が100万リンギに大幅に引き上げられた。
これを受けて既存のビザ取得者からは「延長ができなくなる」、ビザ斡旋業者や不動産業者といった関連業界からは「申請者が近隣諸国に逃げる」といった懸念の声があがっていた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、10月5日)