新型コロナの感染者数は6709人、98日ぶりに7千人下回る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は11日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は6,709人だったと発表した。98日ぶりに7,000人を下回った。累計感染者数は234万6,303人となった。
10日には、7,373人の新規感染者を確認。また1万959人が回復し、累計治癒者は累計で219万5,669人となり、死者数は64人で、累計で2万7,329人となった。アクティブ感染者は、前日から3,650人減少し、11万6,596人となった。アクティブ染者数のうち、79.3%が自宅、13.4%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、6.6%が医療機関、0.6%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。
また同日は新たに8カ所のクラスターを確認。うちコミュニティで5カ所、職場、透析センター、宗教活動でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。州・地域別ではクランタンが4カ所で最も多かった。

11日付けで州跨ぎの移動を許可、ワクチン接種完了者を対象

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種率が成人人口の90%に達したことを受け、ワクチン接種完了者を対象に11日付けで州を跨いだ移動を許可すると発表した。
警察からの許可なしに州を跨いだ移動が可能になるのは今年1月以来。州境の検問も廃止されるが、ただ警察がワクチン接種を完了したかどうか、抜き打ちチェックを行う可能性があるという。これまでは特定の事情を対象に警察から許可を得た場合のみ州跨ぎの移動が認められていた。
その上でイスマイル首相は、感染再拡大の可能性があるため警戒を怠らないよう呼びかけ、発熱、咳、インフルエンザ、呼吸困難などの症状がある場合は旅行計画を延期するよう呼びかけた。
イスマイル首相はまた、マレーシア国民の海外旅行についても許可すると発表した。マレーシア国民の不要不急の海外旅行許可は昨年3月以来となる。マレーシア国民を対象とした出入国許可申請プログラム「マイトラベルパス」での申請制度は廃止される。ただし出発前3日以内のPCR検査の受検及びマレーシア到着時の14日間の隔離は引き続き必要となる。

KL―バンコク間高速鉄道、政府が実行可能性調査を実施中

【クアラルンプール】 クアラルンプール(KL)―シンガポール間のプロジェクト中止が決まった高速鉄道(HSR)整備計画だが、マレーシア政府はKL―バンコク間についてはいまだ実行可能性の調査を行っている。ムスタパ・モハメド首相府相(経済問題担当)が下院議会質疑で明らかにした。
KL―バンコク間については、マレーシア・タイ両国が、両国の経済関係強化のために高速鉄道計画を研究することで2016年に合意しており、タイ側はシンガポールまでのアクセスを見据えて、高速鉄道計画の研究に着手する準備が出来ているとマレーシア側に伝えてきていたという。
結局、マレーシア側はKL―シンガポール間のプロジェクトを優先させたが、2020年12月31日までの期限までにシンガポール側と合意できなかったために中止となった。ただKL―ジョホールバル(JB)間に関する調査はすでに完了しており、内閣に提出できる状態にあるという。
高速鉄道建設計画は先ごろナジブ・ラザク元首相が経済波及効果への期待から復活を提案し、ムヒディン・ヤシン前首相はKL―バンコク間をKL―JB間より優先すべきと提言していた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、10月7日)

原油値上がりでインフレ傾向に、しかしスタグフレーションはない

【クアラルンプール】 エコノミストは、原油の値上がりでマレーシアは軽度のインフレ圧力にさらされるが、スタグフレーション(景気停滞下のインフレ)にはならないと予想している。
政府系金融機関MIDFのイムラン・ヤシン調査部長は、オクタン価95のガソリン(RON95)価格がリットル2.05リンギに統制されており、原油値上がりの物価への影響は緩和されると述べた。
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国でつくるOPECプラスが、原油生産を増やす可能性もあるという。
マレーシア科学技術大学のジェフリー・ウィリアムズ教授は、ガソリン価格統制以外に、石油輸出国であるマレーシアは原油値上がりで利益を得る点も考慮すべきと述べた。
原油価格が1バレル42米ドルだった時、政府は石油関連収入を379億リンギと見積もったが、現在価格はほぼ2倍のため、収入増は確実で増税の必要性は減るという。
(マレーシアン・リザーブ、10月6日)

 

タイのサイアムピワット、パビリオンブキジャリルに出店

【クアラルンプール】 タイで高級ショッピングモールを展開するサイアム・ピワットは、クアラルンプール郊外のブキジャリルでまもなく開業する大型ショッピングモール「パビリオン・ブキジャリル」に出店すると発表した。同社にとって初の海外展開となる。
サイアム・ピワットは、パビリオン・ブキジャリル内に1万1,000平方フィートの店舗を構え、「エコトピア」「アイコンクラフト」「アブソルート・サイアム」という3つのコンセプトによりタイ国内ブランドを紹介していく。
サイアム・ピワットのリテールビジネスグループ最高経営責任者であるウサラ・ヨンギピヤプル氏は、同社の目標は、世界中でタイ・ブランドの評判を高め、タイを世界の舞台に立たせることだとし、初の海外展開先としてパビリオン・ブキジャリルを選択したのは、パビリオンがタイ・ブランドを最もよく表現できると確信したからだと述べた。
パビリオン・ブキジャリルを運営するクアラルンプール・パビリオンのジョイス・ヤップ最高経営責任者は、タイは都会的な高級ショッピングモールでよく知られているとし、2019年にはタイが「マレーシア人が最も愛する旅行先」の一つとして選ばれ、1年間で300万人以上のマレーシア人がタイを訪れたと述べた。タイの独特でありつつ繊細な工芸品や手仕事はその多様な伝統文化をよく表しており、新店舗ではそれを実際に体験できると強調。両社の協働によりマレーシアにいながらにして異文化体験ができるため、顧客の購買意欲向上につながり、ひいては景気回復にも貢献できると述べた。
パビリオン・ブキジャリルは、地域最大級のライフスタイル提案型総合ショッピングモール。5つのフロアで構成され、総面積は180万平方フィート。12月3日のオープンを予定している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月7日)

ワクチン追加接種、ファイザー製使用を承認

【クアラルンプール】 保健省は8日、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンの追加接種、いわゆる「ブースター接種」について、18歳以上を対象に2回目の接種から6カ月以降にファイザー/ビオンテック製ワクチンで行うことを条件付きで承認すると発表した。
保健省のノール・ヒシャム事務次官によると、追加接種実施の承認は、同日行われた保健省とマレーシア薬物管理局(DCA)の会議で決定した。追加接種用としてマレーシアで初めて承認されたのは、ファイザー・マニュファクチャリング・ベルギー及びビオンテック・マニュファクチャリングが製造しているコミナティ筋注。
追加接種については、7日にカイリー・ジャマルディン保健相が感染リスクが高い医療従事者、高齢者、合併症を起こしやすい人に行うと発言していたが、ノール・アズミ・ガザリ副保健相は感染リスクの高い人に優先的に行うが、その後は一般の人にも行うと言明した。
カイリー氏はまた、追加接種について異なる種類のワクチンを打つ交差接種(異種混合接種)を行うことを決定したと明らかにしていた。
(マレー・メイル、ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月8日)

新型コロナの新規感染者数は9751人、セランゴールが最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は8日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は9,751人だったと発表した。累計感染者数は232万3,478人となった。
州・地域別の感染者数はセランゴールが最も多く1,796人だった。それに▽サラワク(1,339人)▽クランタン(1,052人)▽ジョホール(864人)▽サバ(705人)▽トレンガヌ(650人)▽ペラ(643人)▽ペナン(632人)▽ケダ(578人)▽パハン(551人)▽クアラルンプール(KL、313人)▽マラッカ(244人)▽ネグリ・センビラン(243人)▽ペルリス(94人)▽プトラジャヤ(45人)▽ラブアン(2人)――が続いた。
7日には、1万2,884人が回復し、累計治癒者は累計で215万7,565人となり、死者数は132人で、累計で2万7,113人となった。アクティブ感染者は、前日から3,126人減少し、12万9,049人となった。アクティブ染者数のうち、80.4%が自宅、12.8%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、6.2%が医療機関、0.6%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。
また同日は新たに13カ所のクラスターを確認。うち職場で8カ所、教育機関で2カ所のクラスターが発生した。州・地域別ではジョホールで4カ所で最も多かった。

駐在員パス取得費用を大幅引き上げ=タレントコープ

【クアラルンプール】 人的資源省傘下の人材公社、タレント・コープが先ごろ、外国人駐在員パスの取得費用を大幅に引き上げると発表。マレーシア経営者連盟(MEF)は企業の負担を増す誤った政策であり、景気回復を危うくしかねないと懸念を示している。
タレント・コープの発表によると、11月15日より雇用パス(EP)は480リンギから800リンギに、プロフェッショナル訪問パス(PVP)は100リンギから800リンギに、扶養家族パス(DP)は83リンギから450リンギにそれぞれ大幅に引き上げることになっている。
MEFのサイド・フセイン会長は、「景気回復に向けてより多くの投資を呼び込み、既存の投資家を維持できるようにするために非常に重要な段階にある」と強調した上で、駐在員向けパス取得費用の大幅増額は企業に混乱を引き起こし、パス更新を困難にさせ事業継続を難しくする懸念があると指摘。企業があらゆる支援を必要としている中にあって、企業のコスト負担を増すのではなく、むしろ投資を呼び込むためにより良い条件を提示すべきだとした。
(ヴァイブス、ザ・サン、10月7日、ベルナマ通信、10月6日)

ジョホール州がNRP第3段階へ、パハン州も第4段階に

【ペタリンジャヤ】 ヒシャムディン・フセイン上級相(国防相)は、8日付けでジョホール州が国家復興計画(NRP)の第2フェーズから第3フェーズに移行すると発表した。パハン州も同日第3フェーズから第4フェーズに移行する。
ワクチン接種完了と標準的運用手順(SOP)厳守を条件とした規制緩和も行われる。具体的には、9日付けで、▽卸売市場の営業時間延長(地方自治体の免許に基づく時間帯での営業を許可)▽寺院・協会での結納・挙式▽質店の公開オークション(認定競売業者54社のみ、毎月1日と7日の30分間限定、第2フェーズでは従業員の定員60%まで、入札者定員50%まで、第3フェーズでは従業員・入札者とも定員80%まで、第4フェーズでは定員100%)▽たばこ部門の営業再開(第2フェーズ以降)ーーが可能となる。SOP詳細は、ウェブサイト(www.mkn.gov.my)から入手できる。
同相は、SNSでのハッシュタグ「#ReopeningSafely」(安全に再開する)についても取り上げ、現状に満足するのではなく、今後も新型コロナウイルス「Covid-19」と共存しつつ生活していくことを認識すべきだと強調。規制緩和が行われても、引き続きSOPを厳守し、自分自身を守るよう国民に呼びかけた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、10月5日)

海外でのワクチン接種、アプリでデジタル証明書申請可能に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン供給アクセス保証特別委員会(JKJAV)は、海外でワクチンを接種した人もデジタル接種証明書を申請することができるようになったと発表した。
JKJAVのツイッターへの投稿によると、新型コロナ情報・追跡アプリ「MySejahtera」に、海外でのワクチン接種者の証明書取得機能が追加された。希望者はアプリの「ヘルプデスク」からオプション「N(I have received vaccination overseas and would like to obtain my digital certificate in MySejahtera)」を選択。その後、個人情報や接種回数などを入力し、証明書の写真をアップロードする。承認後、アプリに「接種済み」と表示され、それを証明書として使用することができるという。
マレーシア政府による新型コロナ関連情報提供ウェブサイト「コビドナウ(Covidnow)」によると、6日午後11時59分時点で、ワクチン接種を終えたのは2,091万5,720人。全人口のワクチン接種率は64.0%となった。74.1%となる2,420万366人が1回目のワクチンを終えている。