【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 中央銀行バンク・ネガラは6日、定例金融政策会合(MPC)を開催し、政策金利である翌日物政策金利(OPR)を0.25ポイント引き上げて2.25%とすることを決定した。中銀は2020年7月から1.75%で維持していたが、今年5月11日に2018年1月以来、4年4カ月ぶりに0.25ポイント引き上げており、2会合続けての利上げとなった。

中銀は声明の中で、国内経済の成長の見通しが明るいとして、2会合連続で利上げすることを決めたと説明。現在のスタンスでも緩和的で、経済成長を支えることが可能だとした。

新型コロナウイルス「Covid-19」のエンデミック(風土病)段階への移行に伴い、統計では輸出高や小売業の売り上げが増加していることが示されていると指摘。労働市場でも失業率の低下、労働力率の上昇、所得の見通しが改善していると指摘。今後は外需が減速するが、経済成長は堅調な内需に支えられると予想した。また4月1日から国境が再開したことで観光・観光関連産業の回復が加速すると予想。世界経済の回復が予想を下回る可能性、ロシアのウクライナ軍事侵攻の激化、サプライチェーンの混乱悪化が成長リスクとなり続けるとした。その上で、年初6カ月のヘッドライン・インフレ率は平均で2.4%だったとし、今年通年のヘッドライン・インフレ率の予想を2.2ー3.2%、コア・インフレ率を2.0ー3.0%で維持するとした。

一方で世界経済について中銀は、経済再開と労働市場の改善が経済成長を下支えし続けていると指摘インフレ圧力を軽減するためにマレーシア以外でも中銀による政策金利の調整が行われると予想した上で、今後の世界経済の成長見通しは、コスト圧力の上昇、ロシアのウクライナ軍事侵攻、サプライチェーンの動向、金融市場の変動などの影響を受け続けるとの見解を示した。