エアアジア、運航を維持し値上げ最小限に抑制の方針

【クアラルンプール】 格安航空会社エアアジアは、イラン情勢の影響下でも運賃の値上げを最小限にとどめ、運航停止は行わない方針だ。親会社であるキャピタルAのトニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)が30日、記者会見で明らかにした。

フェルナンデス氏は、燃料費の高騰で運賃調整は避けられないとしつつ、湾岸諸国の航空会社の運航便数削減により、エアアジアの需要が高まっていると説明。グループのオンライン旅行代理店部門であるエアアジア・ムーブの予約件数でも大きな減少は見られず、東南アジア域内の旅行者は増加傾向にあることから、「代替航空ハブとしての地位を確立するチャンス」と述べた。

こうした状況を踏まえ、運航停止は行わず、「競合他社よりも値上げ幅を抑えることを目指す」と強調。また今年後半までにバーレーンにMRO(保守・整備・オーバーホール)用の格納庫を建設するという目標も維持すると付け加えた。

さらにキャピタルAとして4四半期連続黒字を達成できるとの見通しを表明。早急な経営改善が求められる「PN17」ステータスの正式脱却に向け、4月10日までに監査済み財務諸表を提出するとした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、3月30日)

中東紛争の緊急影響緩和策、製造業者連盟が政府に要請

【クアラルンプール】 中東紛争の影響が長引く様相を示す中、マレーシア製造業者連盟(FMM)は、減税や補助金支援、港湾料金凍結などの支援策を実施するよう政府に提案した。

FMMが提示したのは、▽紛争関連の混乱により返送された再輸入輸出品に対する売上税と輸入関税の免除▽危機関連の物流コストに対する二重課税控除▽燃料集約型産業へのディーゼル燃料補助金の適用▽重要原材料の優先配分▽港湾料金値上げの延期▽運賃割増金および船会社慣行の透明性向上――の6つの優先措置。

FMM加盟企業はエネルギーコストと物流コストの上昇に苦慮しており、サプライチェーンの混乱が事業に大きな負担となっている。ホルムズ海峡の閉鎖と紅海航路の混乱により、貨物関連費用、戦争リスク割増料金、海上保険料が200―400%上昇し、喜望峰経由の航路変更により輸送時間が最大14日間延長されているという。

またナフサ、液化石油ガス(LPG)、樹脂、合成ゴム原料、硫黄、包装資材といった重要な石油系原材料の供給逼迫に直面しており、価格も高騰している。こうしたことがマレーシアの製造業全体における納期と運転資金サイクルに影響を与えているという。

FMMは声明の中で「ほとんどの製造業者は2週間から6週間分の在庫で操業している。混乱が続けばプラスチック、化学、電子機器、ゴム製品、食品加工といった各分野の生産継続に影響が出るだろう」と述べた。
(エッジ、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、3月27日)

東ティモールのエアロディリ、KL直行便を週2で運航

【セパン】 東ティモールの航空会社エアロ・ディリは28日、首都ディリとクアラルンプール(KL)を結ぶ直行便を就航した。

機材はナローボディのエアバスA319ー100型機で、座席数は122席。週2便(火・土)で、往路はディリ8時発、KL11時15分着、復路はKL12時発、ディリ17時15分着となる。

クアラルンプール新国際空港ターミナル2で行われた就航記念式典には、東ティモールのベンディト・ドス・サントス・フレイタス外務・協力相らが出席。東ティモールが昨年10月にKLで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議で11番目の加盟国として承認されたことを踏まえ、フレイタス氏は「今回の就航は、歴史的に重要な意味を持つ」とあいさつした。

2018年創業の同社にとってKL便は海外5都市目の路線となる。シンガポールとインドネシア・バリはデイリー便となっている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・サン、ベルナマ通信、3月28日)

ゲンティンハイランドへのアクセス道、有料化で来月から試験運用

【クアラルンプール】 パハン州の観光地ゲンティン・ハイランドへの高原アクセス道の有料化に向け、システムの試験運用が4月2日から開始される。ゲンティン・マレーシアの完全子会社で道路管理を行うリンカラン・チェカプ(LCSB)が23日発表した。

高原アクセス道は全長24キロメートルで、ゲンティンが所有する私道。1969年の開通以来、同社が保守・管理を行ってきた。しかし昨年11月、維持管理費用の負担が急増しているとして、2026年前半に有料化する方針を発表。州政府などと協議を進めてきた。

今回の試験運用は、本格導入を前にしたシステム検証のため、料金は徴収されない。ただし通過の際は、クレジットカードやタッチ・アンド・ゴー(TnG)カードなど、決済カードをタッチする必要があるという。

カラック高速道路(KLK)からの出口付近にあたるゲンティン・センパと、中腹にあたるゴトンジャヤの2カ所にシステムを設置。山頂に向かう車のみが対象となる。

本格導入時期や徴収料金などは未定だが、10リンギ以下になると予想されている。また州政府などは地元住民らへの配慮を求めている。

ゲンティン・ハイランドの2024年の観光客は、前年比12.9%増の2,810万人で、さまざまな施設の従業員だけでも1万人超と見込まれている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月24日、フリー・マレーシア・トゥデー、ポールタン、3月25日)

ハイネケンマレーシア、シンガポール・アジア太平洋地域に供給へ

【クアラルンプール】 オランダ系ビール醸造大手のハイネケン・マレーシアは、アジア・パシフィック・ブリュワリーズ・シンガポール(APBS)の醸造事業縮小に合わせて、ハイネケン・ベトナムと共同でシンガポールおよびその他のアジア太平洋地域市場向けにビール製造・供給を開始する。

ハイネケン・アジア・パシフィックの完全子会社であるAPBSの事業縮小はハイネケンの「エバーグリーン2030」戦略の一環。マレーシアとベトナムへの製造移管は2027年までに段階的に実施する予定。縮小されるAPBSのトゥアス工場は将来的に地域物流と製品開発を支援するために再開発され、新製品の試験醸造を行うパイロット醸造所が設置される。

ハイネケン・マレーシアの醸造所は、セランゴール州ペタリンジャヤのスンガイ・ウェイに位置し、マレーシア半島部および東マレーシアに13の営業所を構えている。従業員数は500人以上で、ハイネケン、タイガー、ギネス、アンカー、エーデルワイス、アップルフォックス、キルケニー、アングリアシャンディ、マルタなどのブランドを製造しているが現時点での総売上高に占める輸出の割合は1%未満にとどまっている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、ビジネス・トゥデー、エッジ、3月24日)

マレーシアの肥料メーカーが新規受注を停止、価格高騰を受け

【クアラルンプール】 マレーシアの肥料メーカーは、中東紛争に起因するサプライチェーンの混乱と原料不足により原材料価格が高騰したことを受けた価格改定に向け新規受注を停止している。肥料はパーム油生産者の生産コストの半分以上を占めているため、農園業界への影響が懸念される。

イスラエルと米国によるイランへの戦争によりホルムズ海峡がほぼ閉鎖されたことで、中東で生産される肥料や肥料製造工場で使用される石油と天然ガスの供給が停止している。

マレーシアの肥料メーカー、ユニオン・ハーベストはロイターが入手した通知の中で、「現在、原材料価格が急騰しており、供給業者が価格改定を行っている」とした上で、「新たな価格が確定するまで、新規注文を一時的に保留する」としている。

またパーム油大手FGVホールディングスの子会社であるFGVファーティライザーは、同様の通知を販売業者に送付し、世界的な地政学的状況が肥料供給に与える影響を理由に、尿素、硫酸アンモニウム、塩化カリウムなどの単栄養肥料の販売を即時停止すると発表した。

マレーシアとインドネシアの農園に肥料を供給するサバ・ソフトウッズ・ハイブリッド・ファーティライザーのゼネラルマネージャー、チョン・チュンホン氏は、「一部の原材料価格はわずか2週間で100―150%も上昇した」と述べた。同社は投機を防ぐため、事前注文を控えるよう呼びかけているという。
(ロイター、エッジ、3月18日)

エアボルネオ、7月にKL、シンガポール、コタキナバル線を就航へ

【クチン】 サラワク州営の航空会社エアボルネオは、既存ネットワークを超えた接続性拡大の一環として、7月にボーイング737-800型機3機を用いたクチン発着のジェット便の運航を開始する計画だ。最初の路線としてクアラルンプール(KL)、シンガポール、コタキナバル便を計画している。

エアボルネオのメガット・アルディアン・ウィラ最高経営責任者(CEO)は、必要な規制当局の承認と運航準備が完了するまでの間、ウェットリース(航空会社が他の会社から機体だけでなく、パイロットや客室乗務員、整備、保険を含めて機材を借りる方式)契約に基づき、これらの路線を運航する予定だと言明。「7月にジェット機の運航開始を目指しており、クチンをジェット機の主要ハブ空港とする予定だ」と述べた。

メガット・アルディアン・ウィラ氏は、コタキナバルとミリは引き続きターボプロップ機のハブ空港として機能し、地方および地域間の接続サービスを支えると言明。「ジェット機の運航開始により、接続性が向上し、サラワク州を発着する乗客により多くの旅行オプションを提供できるようになる」と述べた。

エアボルネオは徐々にネットワークを拡大していく予定で、運航が安定してから3カ月後には地方路線の就航地を増やし、規制当局の承認と空港の発着枠の確保を条件として2026年末までに国内路線3路線と国際路線3路線を開設する計画だ。
(ボルネオポスト、エッジ、ベルナマ通信、3月17日)

「米イラン戦争は長引く」、第2四半期見通し会見で楽天トレード

【クアラルンプール】 楽天トレードは第2四半期の見通しに関するオンライン会見で、地政学上の不透明感にもかかわらず、ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)の主要株価指数FBM・KLCIは年末に1,800台に届くことが依然可能との見解を示した。ケニー・イー調査部長は、不安定要素である米イラン戦争について「トランプ米大統領は短期終結を確信しているが、長引くとわれわれは考えている」と述べた。

楽天トレードは年末の指数目標を1,810から1,800へわずかながら下方修正した。イー氏は「マレーシア証取は強靭さを示しているが、米とイランの衝突は引き続き世界市場に影を落とす。市場の方向は紛争の期間と石油価格への影響に左右されるが、1―2カ月で終わる戦争ではない」と述べた。

イー氏によれば、戦争の出費は1日推定10億米ドルにも上り、投資家のリスク許容度に影響する。戦争が長引けばブレント原油は1バレル100米ドル超になる可能性がある。

ブルサに対する今年の外国人投資は12億8,000万リンギの買い越しで、株保有比率は19.1%。今年の企業収益は7.9%の増加が見込めるという。
(ザ・スター電子版、3月13日、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、3月14日、マレーシアン・リザーブ、3月17日)

バティックエア、日本線燃油サーチャージ90リンギに引き上げへ

【クアラルンプール】 航空会社バティック・エアは25日から、日本線の燃油サーチャージを現在の50リンギから90リンギへ引き上げる。マレーシア国内線でも30リンギから50リンギに改定するなど、運賃と路線別燃料サーチャージの調整を進めている。
調整は燃料価格の急騰を受けた措置となる。90リンギとなるのは、日本のほか、中国、香港、韓国、台湾路線。中東、南アジア、中央アジアは、50リンギから80リンギに、最も高いのはオーストラリア線で50リンギから100リンギとなる。一部の路線ではすでに実施している。

航空会社ファイアフライもすでに日本を含めた路線で、11日から料金改定を実施。同じマレーシア・アビエーション・グループ(MAG)のマレーシア航空も25日から、日本線を含め料金を改定する方針だ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、ベルナマ通信、3月13日)

政府、2026年の経済成長率予測を4.0―4.5%に据え置き

【プトラジャヤ】 マレーシア政府は、世界的な地政学的課題や外部経済の不確実性に直面しているにもかかわらず、2026年の経済成長率予測を当面4.0―4.5%に据え置く考えだ。経済見通しは中央銀行バンク・ネガラ(BNM)によって行われており、最終的にはBNMが予測を見直すかどうか決定する。

アクマル・ナスルラー・モハマド・ナシル経済相は、今年のマレーシア経済に影響を与える可能性のある様々な要因とリスクを考慮した結果、政府はこの目標を維持することを選択したと言明。「2026年の主要な課題の一つは地政学的状況であるものの、前年度の経済実績(5.2%成長)は、マレーシア経済が依然として回復力を持っていることを示している」と述べた。

アクマル・ナスルラー氏は、失業率が2025年第4四半期には11年ぶりの低水準となる2.9%に低下するなど労働市場も明るい兆しを見せているとした上で、インフレ率が2024年の1.8%から2025年には1.4%に低下するなどインフレ圧力も抑制されつつあると指摘。また絶対的貧困率は5.1%に、極貧率は0.09%にそれぞれ低下するなど国民の福祉も改善しているとし、「世界的な課題は依然として残っているものの、経済の強化と国民の福祉向上に向けた政府の継続的な取り組みが成果を上げ始めていることを示している」と述べた。
(ザ・スター電子版、ザ・サン、エッジ、ベルナマ通信、3月12日)