格安スーパーのグローサー・マット1号店がオープン

【クアラルンプール】 教育・観光などに携わるファティリ・ファズラー・ホールディングスは9月29日、格安スーパーのグローサー・マット第1号店をセランゴール州スリ・ゴンパックにオープンした。
グローサー・マットは、80種類以上の野菜や40種類の魚などの生鮮品を揃え、大量仕入れによって卸売市場よりも低価格で販売するのが特徴。随時セールを開催し、割高な魚介類なども手に入れやすい価格で提供していく。
創業者のファティリ・ファズラー氏は、これまで教育、観光、物流、鉱業などの事業に携わってきたが、今後、グローサー・マットを2025年までに2,000店舗にまで増やすことを目指すとした。今年12月には第2号店をセランゴール州のバンダル・セリ・プトラでオープンする計画があるという。将来的にはライセンス供与による大規模展開も視野に入れているとした。
第1号店オープンを記念して、30リンギ以上の購入で新鮮な丸鶏合計1,000羽を無料でプレゼントするキャンペーンが10月1日まで実施されている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、9月29日)

2025年までに2400万人の外国人観光客誘致を目標

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 観光芸術文化省(MOTAC)は、2025年までに2,400万人の外国人観光客を受け入れ、観光・旅行消費額を730億リンギとすることを目指している。
ナンシー・シュクリ観光芸術文化相は、9月28日に発表された第12次マレーシア計画(12MP)の観光業に関する政策声明の中で、先端技術とデジタル化により、観光業の回復力と競争力を構築すると表明。12MPの下で新型コロナウイルス「Covid-19」感染症拡大により打撃を受けた観光業の復興に努めると述べた。
MOTACは、芸術や文化といった側面からもマレーシアを国際的にアピールし、魅力的な旅行先として外国人観光客を呼び戻す。州政府が新しい観光商品を打ち出す際には、国際的にアピールすることを歓迎するとした。
一方で、国内観光客については、2025年までに消費額を1,000億リンギとすることを目標に掲げている。
MOTACは、観光業を通して、B40グループ(下から40%の低所得者層)向けに雇用機会を提供し、中所得層(M40)の生活水準を向上にも力を注ぐ。観光産業従事者のスキルや知識の強化、農村地域でのエコツーリズムの検討などの取り組みを継続する。また、▽観光客からの信頼回復▽サービスの質向上▽観光商品の持続可能性の向上▽マレーシアブランドとマーケティング戦略の強化▽ガバナンス改革の制度化▽国内観光の強化ーーという6つの重点分野に優先的に取り組み観光業を活性化させる方針だ。
ナンシー氏は、「持続可能な観光」への取り組みにより、環境保護や文化遺産の保護において、観光の役割がさらに強化されると述べた。マレーシアは様々な天然資源に恵まれているため、観光客にユニークな体験を提供でき、観光客によって地域社会にも貢献できると言明。マレーシアはエコツーリズムの旅行先として世界で最も選ばれる旅行先になると強調した。

世界銀行、マレーシアの経済成長予想を3.3%に下方修正

【ペタリンジャヤ】 世界銀行は、28日に発表した最新レポートの中でマレーシアの今年通年の国内総生産(GDP)成長率予想を従来のプラス4.5%からプラス3.3%に下方修正した。根拠として、パンデミックからの復興が進む一方、貧困層や社会的弱者の所得・雇用が回復していないことを挙げている。
外需が成長の追い風になる一方、行動制限令が経済復興の足かせになると予想。また、同レポートでは、新型コロナウイルス「Covid-19」のデルタ変異株の影響により、東アジア・太平洋地域のほとんどの国の成長率予測が引き下げられており、中国(8.5%)以外の地域では2.5%と、今年4月時点の予測4.4%よりも2ポイント近く低くなっている。
世界銀行グループのリードエコノミストのアプルバ・サンギ氏は、第12次マレーシア計画(12MP)で示された「2025年までの年平均4.5ー5.5%の経済成長」という目標について、世界経済における需要と供給の同時縮小により、達成が困難な状況にあると述べた。2021年ー2022年は下降傾向で、2022年以降にようやく成長が期待できるという。一方、デジタル化が輸出へ好影響を及ぼし、ワクチン接種率も向上しているという明るい兆しも見られることから、2022年と2023年の経済成長率は高水準を見込んでいる。
同氏は、12MPで発表された過去最大の開発費4,000億リンギについて、短期的には経済回復や弱者支援のための財政出動は必須だが、債務増加や予算不足に陥る危険も高いため、中長期的な財政戦略を別途考える必要があると述べた。マレーシアでは所得税、法人税、消費税の税収が不足しているとも指摘。徴税の枠組みや税支出、税務管理などを見直し、別の課税形態も検討することで、開発費用を調達できるとした。歳出についても合理化・効率化により削減できるとし、歳入を可能な限り増やし、効率的な歳出を行なうことが重要だと強調した。
(ザ・サン、9月29日、マレーシアン・リザーブ、9月28日)

5月以降に中小零細企業3万7415社が倒産=起業家相

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大抑制のために今年5月に3回目の全国的行動制限令(MCO3.0)が発令されて以降、3万7,415社に上る中小・零細企業が倒産に追い込まれた。
ノー・オマル起業家開発協同組合相が28日の下院議会質疑で明らかにしたところによると、全体の2万6,007社を零細企業が占め、中小企業は2,738社に上った。
MCO3.0以降にはまた、約200社のスポーツ関連企業も倒産した。
ティー・リエンカー副青年スポーツ相によると、倒産したスポーツ関連企業の大多数はフィットネスセンターや卸売業者で、スポーツ業界関連会社の93.2%がMCOの影響を受けていることを明らかにし、58.8%が事業を継続するために財政支援が必要だと訴えている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、9月28日)

ティオマンとゲンティン、トラベルバブルを無期延期

【ロンピン】 10月1日から予定されていたパハン州ティオマン島とゲンティン・ハイランドの「トラベル・バブル」実施が無期限で延期となった。パハン州のカマルディン・イブラヒム観光局長が明らかにした。
イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相の「リゾート地や観光地の再開、州間移動については、成人人口のワクチン接種率が90%に達した場合にのみ許可する」という声明を受けてのもの。州間移動が解禁されるまでは、パハン州住民のみがパハン州内観光地へ旅行できることとなる。カマルディン氏は、すでに旅行を予約済の州外観光客に対し、「予約を取った旅行会社に連絡し、旅行の延期を行なうなど、適切なアドバイスを受けてほしい」と呼びかけた。
カマルディン氏は、また、パンデミックで大打撃を受けた州内観光産業の復興について、住民からの支援を期待していると述べた。パハン州が国家復興計画第3フェーズへ移行したことに伴い、多くの活動が可能となり、地域間の移動もできるようになったため、ジャンダ・バイクやロンピン州立公園など、州内の観光名所へ訪問する人が増えることを願っていると強調した
観光芸術文化省は、観光地を実験的に観光客に開放する「トラベルバブル」について、現在実施中のランカウイ島に続き、ティオマン島、ゲンティン・ハイランド、マラッカの再開を提案したが、マラッカはこの提案を却下していた。
(ベルナマ通信、9月28日)

フィライフと東京海上、10代向け新型コロナワクチン保険

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ 】 ネット保険のフィ・ライフと東京海上ホールディングス子会社で、生命保険を提供するトウキョウ・マリン・ライフ・インシュアランス・マレーシア(TMLM)は、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種保険を開始した。
フィ・ライフが発表した声明によると、12ー17歳までのマレーシア人および永住権所有者を対象にしたもの。フィ・ライフおよびTMLMの生命保険加入者は自動的に登録され、非加入者も10月31日までに登録することで加入することができる。
保険料は無料。ワクチンを接種した後に、副反応による健康被害が出た場合、1日120ー240リンギを最大5日、重度の副反応で亡くなった場合は一時金として、加入者で5,000ー1万2,000リンギが支給される。保険金は、TMLMの新型コロナ医療支援基金により支払われる。保険の保障期間は、今年6月から12月31日まで。

 

サイバージャヤの電動トラム、来年実証実験を実施

【クアラルンプール】 セランゴール州サイバージャヤでは、来年初頭に完全電動式の路面電車(トラム)のパイロット・テストを実施する。「2025年までにスマート低炭素都市となる」ことを目指す取り組みの一環。
電動バスを連結して走らせる自動高速輸送(ART)システムを採用。無人走行と有人走行ともに可能で、専用の軌道を必要とせず、道路標識により形成される仮想線路を走行する。3つの車両を連結し、一度に乗客307人の運搬が可能。最高速度は時速70キロメートル。運行をサポートする充電ステーションなどの設備も設置する。民間企業であるモビルスが協力する予定だが、モビルスは、今年4月にジョホール州イスカンダル・マレーシアで実施されたARTシステムのパイロット・テストにも協力している。
トラムについては、2016年2月に当時の連邦直轄地相からプトラジャヤおよびサイバージャヤへの導入計画が発表された。2018年3月には公共陸運委員会(SPAD)(現・APAD)がプトラジャヤおよびセランゴール州のバンギ、サイバージャヤ、カジャンに導入を提案。2つのMRT路線および計画中の高速鉄道への接続が可能とした。
一方、公共交通機関の利用率の低さから、トラムの長期的な採算性について疑問の声も上がっている。サイバージャヤ住民代表委員会のジャマルディン・マームッド・シャー議長によると、セランゴール州の無料バスサービス「スマート・セランゴール」は、利用者が少ないため赤字になっている。同議長は、「バスと異なりトラムのルートは固定されてしまうため、導入前に採算が取れるかどうか路線調査を行なうべき。また、自動車ではなく公共交通機関を利用するよう促すには、政府による抜本的な改革が必要だ」と述べた。
(マレー・メイル、9月27日)

「A&W」マレーシア事業、製菓のパンマレーシアが子会社化

【クアラルンプール】 製菓のパン・マレーシア・コープ(PMC)は、ファストフードチェーン「A&W」をマレーシアで展開するA&Wマレーシアの株式51%を取得して子会社化すると発表した。
A&Wマレーシア株100%を保有するインター・マーク・リソーシズと売買契約を締結。A&Wマレーシア株51%を2,104万リンギで取得する。1,157万リンギは現金で、残金はPMC株式1株15セン換算し6,311万株の譲渡で支払いに充てる。残りの株式49%は引き続きインター・マークが保有する。
買収目的についてPMCはチョコレートと菓子事業を主力とする現体制から、急成長しているファストフードチェーン分野への多角化を目指すとしている。A&Wマレーシアは現在、62店舗を運営しており、半数以上がクアラルンプール(KL)とセランゴール州の首都圏に集中している。まだ成長の余地が大きいとみており、2023年までに店舗数を100店に増やす計画だ。
(エッジ、ザ・サン、9月24日)

今年の経済成長予測を4.7%に下方修正=アジア開銀

【クアラルンプール】 アジア開発銀行(ADB)は22日、マレーシアの2021年経済成長率予測を、7月に発表した5.5%から4.7%に下方修正した。
修正の主な要因は、新型コロナウイルス「Covid-19」感染が再拡大し、全国的なロックダウンが再実施されたこと、そして政治の不安定性が続いていること。マレーシアの主要な輸出先である米国と日本も同様に成長の鈍化が見込まれている。
短期的には下振れリスクの懸念がある。対外的には、世界経済の回復傾向が弱まり、米国経済の先細り感と相まって、金融市場の不確実性が高まり、資本流出を引き起こす可能性がある。国内でも、コロナ変異株や新政府への支持基盤の脆弱さによって不確実性がより高まり、景況感が悪化、経済回復のための改革も遅れる恐れがあるという。
一方、ADBは、マレーシアの2022年成長率予測を従来の5.7%から6.1%まで上方修正した。ワクチン接種が全国的に滞りなく進むことが条件となっている。予測通り成長したとしても、成長率はパンデミック前よりも約10%低くなる見込みだ。
ADBの経済成長率予測は、アジア太平洋地域の発展途上国46カ国・地域を対象としており、地域全体の成長率予測は、2021年で7.1%、2022年で5.4%となっている。
(新華社、9月22日)

人材不足対策、経営者連盟が政府に要請

【ペタリンジャヤ】 マレーシア経営者連盟(MEF)は、経済活動の再開を認めるという政府の決定には歓迎するが、人材不足の問題を抱える産業があるとして、対策を講じるよう政府に訴えた。
サイド・フセイン会長は発表した声明の中で、先ごろ飲食店での営業再開が認められたが、マレーシア人が好んで働きたがらない傾向にあり、雇用主は人材を確保するのに苦戦していると説明。そのため持ち帰りのみで営業している店舗もあると述べた。
また全ての産業をデジタル化することはできないということを政府には理解してもらいたいと強調。政府が取り組む外国人労働者への依存軽減には賛成しており、外国人労働者を呼び込むための政府間の取り決めの策定の難しさも理解しているとした。全面的に外国人労働者の受け入れを許可することは望んでいないとし、産業別で受け入れを許可することを提案。まずは飲食店での受け入れを検討して欲しいと述べた。
(ザ・サン、9月22日)