国鉄の運賃オープン決済、システム開発2社がコメント

【クアラルンプール】 決済ソリューションのレベニュー・グループと交通系ソフトウエア開発のNSS・ITソリューションは、両社が開発し8日に運用開始されたマレーシア国鉄(KTMB)の運賃オープン決済システムについて共同声明を発表。両社の革新的ソリューションに基づく複雑なプログラミングとシームレスな後方処理がシステムを可能にしたと述べた。

同オープン決済システムが利用できるのは、KTMBコミューター線の首都圏クランバレーとマレー半島北部の80駅で、運賃決済の利便性を向上させるのが導入の狙い。乗客は自動制御ゲートでデビットカード、クレジットカード、電子ウォレットのいずれかを使用して支払いを行うことができ、決済は1ー5秒で完了する。

レベニュー・グループのテー・チーホー取締役は「多用途のシステムで、鉄道だけでなく多様な交通手段の決済に利用が可能」と述べた。NSS・ITソリューションのケニー・タン最高経営責任者(CEO)は「技術分野における協働の力を証明するプロジェクトで、我々の自動化運賃収受およびアクセス制御改札をレベニューの決済システムと統合した。安全で汎用性のあるシステムだ」と説明した。
(ベルナマ通信、2月9日)

ペナンLRT計画、鉄道橋で本土側を結ぶ予定=州首相

【ブキ・メルタジャム】 ペナン州で計画されている初の軽便鉄道(LRT、全長29キロメートル、総工費100億リンギ)について、チョウ・コンヨウ州首相は新設する鉄道橋を使って海峡を渡り、本土側のバターワースまで延伸することになると述べた。

チョウ氏によると、橋は海峡の北側に架設され、マレーシア国鉄(KTMB)のバターワース駅に隣接し、フェリーとバスターミナルがあるセベラン・ペライのペナン・セントラルまでを結ぶ。運輸省と事業母体のMRTコーポレーションは以前、ジョージタウンのいくつかのLRT駅を地下駅とし、後に海底横断トンネルを通じて本土側のセベラン・ペライを結ぶと発表していた。LRTプロジェクトは以前は州政府が主導していたが、昨年連邦政府が引き継ぎ、MRTコーポレーションが主導することになっている。

チョウ氏は、MRTコーポレーション側から最新の路線計画について明かされたと述べた上で、「交渉すべき技術的および財政的問題が山積していることを考慮すると、年内にプロジェクトが開始されれば早い方だ」と述べた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、2月13日)

ペニンシュラホテル、2028年までにコタキナバルで開業へ

【コタキナバル】 サバ州のハジジ・ノール首相は8日、コタキナバルのビジネス中心地区(CBD)に5つ星ホテル「ザ・ペニンシュラ・コタキナバル」が2028年までにオープンする予定だと明らかにした。客室数は800室。

ハジジ州首相によると、同ホテルの建設は、地元の不動産開発企業トリリウム・デベロップメントによる総合複合開発の一環。ザ・ペニンシュラ以外にも、4つ星ホテルやサービスアパート、高級住宅タワー、オフィス、ショッピングモール、商業施設、立体駐車場の建設が予定されている。敷地面積は14.89エーカー。

ハジジ州首相は、サバ州内には現在2万6,822室のホテルがあるが、観光客数が2022年の170万人から2023年には260万人へと急増しており、今後も成長が見込まれるため、新ホテルの建設は時宜を得ていると述べた。

サバ州内では、クラブメッド、アリラ・リゾート、インターコンチネンタル・ホテルズ&リゾーツ、アバニ・ホテル、クラウン・プラザ、フェアフィールド・バイ・マリオット、シェラトン・ホテルなどの新ホテルの建設が進行中で、3,000室以上が追加される見通しだという。
(ボルネオポスト、2月8日)

サイバーセキュリティのLGMS、中小企業向けサブスクを開始へ

【クアラルンプール】 三井物産が25%出資するサイバーセキュリティのLGMSは、中小企業向けサブスクリプション(月額定額制)ソリューション「スターセントリー」を今年第2四半期に発売開始すると発表した。

国産の「スターセントリー」は中小企業が簡単にサイバーセキュリティ対策を強化できるよう設計されており、「マレーシア・サイバーセキュリティ・アワード2023」で「サイバーセキュリティ製品イノベーション・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、発売前から高い評価を得ている。

LGMSは、従来の買い切り型ソフトウェアの販売を継続するだけでなく、サブスクリプション・モデルにも注力するとし、これにより新規顧客の開拓、安定した収益源の確保、拡張性のあるサービス提供を目指すとした。さらに自動的にセキュリティ事故を防げる、最先端の人工知能(AI)ボットの開発も進めているという。
(ザ・サン電子版、ベルナマ通信、2月11日)

三井E&S、環境対応型港湾荷役クレーン12基を受注

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 三井E&S(本社・東京都中央区)は9日、マレーシアで港湾運営やインフラ建設を行うMMCコーポレーション(MMC)グループ傘下のノースポート(マレーシア)より、環境対応型のタイヤ式電動門型コンテナ用ヤードクレーン12基を受注したと発表した。

セランゴール州ポートクランでコンテナ港を運営しているノースポートは今後、コンテナターミナルを拡張させる予定で港湾整備を進めており、今回の12基は、新たに拡張されるコンテナターミナルに設置される予定だ。

三井E&Sは、2021―2022年にかけて、ノースポートからタイヤ式門型クレーン23基、タイヤ式電動門型クレーン11基を受注し、納入を完了している。

産業廃棄物のアミタ、マレーシア子会社を海外統括会社に再編

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 産業廃棄物リサイクルのアミタホールディングス(本社・京都府京都市)は8日、アジア・大洋州地域でのビジネス展開を加速するため、マレーシア子会社アミタ・エンバイロンメンタル・ストラテジック・サポートをアミタ・サーキュラーデザインへと社名変更し、海外統括会社として新たに事業開始すると発表した。

組織再編により、現地ニーズを捉えたスピーディーな事業展開に向けて、アジア地域全体を対象とした人材登用やビジネスパートナーシップの強化を図る。2017年からマレーシアで展開している、100%リサイクル事業を基盤とし、まずは約4,200億米ドル(62兆7,600億円)のサーキュラー(循環型)ビジネス機会が生まれると言われるASEAN(東南アジア諸国連合)市場を視野に入れ、持続可能な企業経営や地域運営を統合的に支援する「社会デザイン事業」の実現を目指す。

アミタは2017年、マレーシアにてコングロマリットのベルジャヤ・グループと合弁で100%リサイクル事業を開始。同社独自の調合技術を活用し、産業廃棄物を主にセメントの代替原料・燃料などへと100%リサイクルしている。インドネシアにおける事業展開も視野に入れており、2023年5月に締結したインドセメント社とのMoU(協力覚書)を軸に、事業性調査を進めている。日本の環境省による「脱炭素社会実現のための都市間連携事業委託業務」の枠組みも活用し、インドネシアの自治体や他企業とも連携の上、調査を進めているという。

日本水産物のマレーシア輸出、今年増加する見込み=ジェトロ

【クアラルンプール】 日本貿易振興機構(ジェトロ)は、今年のマレーシアへの水産物輸出について、観光業が好調であることや円安を背景に、増加が見込まれるとしている。

ジェトロ・クアラルンプール事務所の高野光一所長は国営「ベルナマ通信」の取材に対し、昨年は福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出があったが、日本政府は、科学的根拠に基づいて水産物の安全性を慎重に説明しており、安全対策を継続していると説明。今年はマレーシアの経済成長が見込まれることから、日本産水産物への需要も増加することが期待できると述べた。ジェトロでは、マレーシアの流通業者、レストラン、小売業者が、水産物や加工食品などの日本製品をより多く輸入できるよう支援しているとしている。

2023年通年の日本産水産物(魚、魚卵、甲殻類、水産缶詰など)のマレーシア輸出額は前年比16%増の43億6,900万円だった。

生鮮・冷凍水産物を取り扱うセンドイチ・マレーシアのゼネラルマネージャーであるアルドレッド・ヨー氏は、日本産水産物への需要がレストランで高まりつつあるとし、特に北海道産ホタテは新鮮で甘みがあるため、人気があると述べた。ハマチやクロマグロなどは、主に青森県、宮城県、北海道から仕入れているという。価格に関しても、日本のトップ生産者や輸出業者と協力の上、コスト競争力を保ちながら管理を行っているため、急激に上昇することはないと述べた。

ヨー氏によると、日本の大手レストラン経営会社2社が、成長する東南アジア市場、特に旅行先として人気のマレーシアに魅力を感じ、同社を通じて年内にマレーシアにレストランを開店したいと打診してきているという。
(ザ・サン電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、2月11日)

MASが鉄道とのセットチケット、ロンドン・ソウル便で提供

【クアラルンプール】 マレーシア航空(MAS)は、同航空ロンドン・ソウル発着便と英国・韓国の鉄道のセットチケット販売を開始すると発表した。

航空と鉄道利用を組み合わせたサービスを提供するカナダ系アクセスレールとの提携事業。ロンドンのヒースロー空港からはロンドン・ノース・イースタン鉄道およびアバンティ・ウエスト・コースト鉄道が利用でき、韓国では仁川国際空港から韓国高速鉄道が利用できる。

サービスの名称はMHレール。チケットはマレーシア航空のホームページ、またGDS(グローバル流通システム)加盟の旅行代理店で購入できる。GDSは世界中の航空会社、ホテル、レンタカーなどの予約・発券ができるコンピューターシステム。MASは既にアクセスレールとの提携を通じ、英グレートイースタン鉄道が利用できるサービスを導入している。

アクセスレールのアンドリュー・ポペスク副社長(事業開発担当)は「今後もMASとの協力を進め、マレーシア航空がさらに多くの目的地のセットチケットを提供し、顧客がシームレスなサービスを享受できるようにする」と語った。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、2月9日、エッジ、2月8日)

KLIA近隣に4つ星のイビスホテルがオープン

【クアラルンプール】 クアラルンプール国際空港(KLIA)近隣に4つ星エアポートホテル「イビス・スタイルズ・セパンKLIA」が1日、オープンした。「イビス」は、ホテルチェーンの仏アコーホテルズが展開するホテルブランド。

新ホテルは、KLIAから1.2キロメートル、無料シャトルバスで6分の距離にあり、現時点でKLIAに最も近い国際ブランドホテルとなっている。客室数は全229室。セパン地区で最大級のプールを有し、バイク愛好家のために特別にデザインされた10室のバイカールームも用意している。ダイニングレストラン、ロビー・バー、スパ、フィットネスセンターを備え、CSR(企業の社会的責任)の一環として、各部屋に自閉症のアーティストによる絵画も飾られている。
(ザ・スター電子版、2月8日、イビス・ホテル発表資料)

マレーシア国鉄コミューター線、オープン決済システムを導入

【イポー】 マレーシア国鉄(KTMB)は8日、コミューター線の一部の駅で、運賃オープン決済システムの稼働を開始した。事前にオンラインで座席を指定してキップを購入する高速電車運行サービス(ETS)は対象外。

運賃決済の利便性を向上させるのが狙いで、首都圏クランバレーとマレー半島北部の80駅で利用可能。乗客は自動制御ゲートでデビットカード、クレジットカード、電子ウォレットのいずれかを使用して支払いを行うことができ、決済は1ー5秒で完了するという。

イポー駅での立ち上げに同席したアンソニー・ローク運輸相は、2022年9月に首都圏クランバレーで始まったKTMB運賃支払いシステムの改修プロジェクトが、昨年末に1年余りの短い期間で完了したと言明。またホリデー・シーズンなどの繁忙期以外にもETSサービスの運行頻度を増やすことを検討していると述べた。

KTMBのスハイミ・ヤコブ最高経営責任者(CEO)は、2022年に220万人だったKTMインターシティ列車の利用者数が2023年には81%増の425万人となり、ETSとコミューター線もそれぞれ26.4%、15.3%増加したと明らかにした。
(ベルナマ通信、ザ・サン電子版、エッジ、2月8日)