【クアラルンプール】 小売業調査会社リテール・グループ・マレーシア(RGM)が6月9日発表した「2021年6月マレーシア小売業界リポート」によると、昨年末より一時期小売業の業績回復の兆しが見られたものの、直近の新型コロナウイルス「Covid-19」の感染急拡大により、年内の回復は難しい見込みだ。

人々がショッピングモールのような閉鎖された場所に行くことを避けたため、小売業者が大きな打撃を受けている。これに完全ロックダウンが追い打ちとなり、業績回復の見通しが立たなくなった。新型コロナとロックダウンの今後の行方が不透明なこともあり、向こう3カ月の予想は難しいという。

2021年第1四半期に実質GDP成長率は前年同期比マイナス0.5%となったが、それに比べて小売業売上高は前年同期比マイナス9.9%と大幅な減少となった。3四半期連続で低下していた平均物価上昇率は2021年第1四半期には0.5%とプラスに転じた。上昇率が高かったのは、食品・非アルコール飲料(1.5%)、雑貨・サービス(1.5%)など。2月から一時期行動規制が緩和されたことで、国内需要が増加したのが要因と見られる。(エッジ、6月9日)