新型コロナ感染者発生で工場の運営に支障、バヤンレパスで

【ジョージタウン】 ペナン島南東部に位置する、多数の多国籍企業が製造拠点を持つバヤン・レパス自由貿易区で新型コロナウイルス検査で陽性反応を示した労働者が出て、工場の操業が影響を受けている。
少なくとも5つの多国籍企業の出荷量が予定以下になり、2社では建物の消毒のため業務停止を余儀なくされた。5社で計5,000人が就労している。
うちシンガポール資本の企業では全職員600人の感染検査を保健省から求められ、生産量が40%余り減少した。全員のPCR検査が終わるまで3 4日はかかるという。これまでに4人が陽性反応を示した。
生産ラインの労働者の多くは外国人で、専用の宿舎に宿泊している。検査結果が判明するまで待機しなければならず、会社には大損害だ。
自由貿易区ペナン会社協会のヘン・ハックリー理事は、州政府によるバヤン・レパスにおける感染防止対策を評価しつつも、そうした措置が区内の全企業の業務を混乱させることがあってはならないとコメントした。
(ザ・スター、11月19日)

新型コロナ感染者は1290人、再び1千人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)19日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から1,290人増加し、再び1千人を上回ったと発表した。アクティブ感染者数は1万3,222人で、累計感染者数は5万1,680人となった。

州・地域別の感染者数はサバ州が最も多く660人となった。それに▽セランゴール州(407人)▽クアラルンプール(KL、72人)▽ペラ州(48人)▽ネグリ・センビラン州(32人)▽クランタン州(17人)▽ジョホール州(15人)▽ラブアン(15人)▽サラワク州(8人)▽ペナン島(8人)▽ケダ州(7人)▽マラッカ州(1人)ーーとなった。プトラジャヤ、トレンガヌ、パハン、ペルリスはゼロだった。新たに878人が退院し、累計治癒者は3万8,132人だった。死者数は4人増えて累計326人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官によると、18日には新たに8つのクラスターを確認した。サバ州ラハドダトゥの「サバル・クラスター」では22人、ラナウの「トムヘル・クラスター」では20人、タワウの「ガーデン・クラスター」では10人の感染を確認。プトラジャヤとセランゴール州のペタリン、セパンでは「プトラ18クラスター」が発生、6人に陽性反応が出た。KLのケポンとチェラス、ペタリンの「ムルニ・クラスター」では6人、ペナン州ティムル・ラウトの「セリ・パシル・クラスター」では10人、サラワク州クチンの「ベシ・デマク・クラスター」では4人、ジョホール州タンカクとマラッカ州メラカ・テンガの「パリト・カッサン・クラスター」では10人が陽性となった。

サバ州補選が無期延期、国王の緊急事態宣言受け

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 アブドラ国王は18日、ムヒディン•ヤシン首相の助言の基づき、サバ州バトゥ・サピ地区を対象に緊急事態を宣言した。同地区では下院議員死去に伴う補欠選挙の公示日が23日に控えていたが、緊急事態宣言により無期限延期されることになる。

9月26日に実施されたサバ州議会選挙では新たな新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大の原因になったと指摘されており、そうした中での補選続行に対する懸念や疑問の声が上がっていた。ただ連邦憲法では下院及び州議会で空席ができた際には60日以内に補選を行なうことになっており、今後も各地で補選が予定されていることから補選を延期する法的根拠が必要だと判断したとみられる。

ムヒディン首相はバトゥ・サピ補選を延期すべき理由として、▽補選が国民に健康上の脅威をもたらす▽感染の懸念から選挙委員会(EC)が十分な臨時職員を集められない▽EC職員と有権者による他地区への移動が避けられない▽高齢者が22.3%を占めている▽感染爆発が起きた場合の他地区の社会経済活動への影響懸念——の5つの理由を説明した。

サバ州政府はさっそく、緊急事態宣言による補選延期の決定を歓迎するとの声明を発表。ゲリック選挙区補選が予定されているペラ州政府も延期を要請している。

失業パイロットが始めた屋台が評判に

【スバンジャヤ】 新型コロナウイルス「Covid-19」流行の影響で職を失った人々が生活のために様々な職業に転職しているが、セランゴール州スバンジャヤでは元航空会社パイロットがパイロットの制服のままで営業している料理屋台が話題となっている。

顧客に「キャプテンズ・コーナー」と呼ばれている屋台の経営者は、アズリン・モハマド・ザワウィさん(44)。パイロットとしてのキャリアは20年に及ぶが、勤務していたマリンド・エアが先ごろ実施した数千人のレイオフの対象に含まれた。4人の子供を養うために働かなければならないと、家庭のレシピに基づいたカレーヌードルやラクサ、ロジャ(果物にタレをかけたスナック)を販売している。パイロットの制服に赤いエプロンという姿がソーシャルメディア上で話題になり、その宣伝効果のために売り上げは順調だという。

工夫次第で生計を立てていけるということを他の人たちにも知ってもらいたい」というアズリンさん。「厳しい現状を受け入れ決してあきらめないで欲しい。それは飛行機を飛ばすようなもの。我々は常に前進するのです」と語った。

(ロイター、11月11日)

人材ランキング、マレーシアは25位にダウン

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 スイスのビジネススクール、国際経営開発研究所(IMD)は世界人材ランキングを発表。マレーシアは昨年の総合22位から25位にランクを下げた。
同レポートは、世界63カ国・地域において、「労働環境への投資と開発」、「国外の人材を引きつける魅力」、「人材が持つ技能や能力」3項目において人材活用の準備度合いを評価したもの。
マレーシアは、「人材が持つ技能や能力」は18位で、昨年から2ランクダウンした。「国外の人材を引きつける魅力」は29位で2ランク下降、「労働環境への投資と開発」は34位で、2ランク下がった。
総合のトップはスイス、2位はデンマークで昨年と変わらなかった。3位はルクセンブルグで、欧州勢がトップ3位を占めた。最下位はモンゴルだった。
マレーシアは、アジアではシンガポール(9位)、香港(14位)、台湾(20位)よりランクが低かったが、韓国(31位)、日本(38位)、中国(40位)、タイ(43位)、インドネシア(45位)、フィリピン(48位)より上位にランクされた。

エアアジアジャパン、破産手続きを開始

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 格安航空会社、エアアジアが33%出資するエアアジア・ジャパンは17日、東京地方裁判所に破産手続きの開始を申し立てた。
エアアジアがブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大を防ぐために渡航制限が実施されたことで旅行需要が低迷した。
エアアジア・ジャパンは2014年7月に設立し、中部国際空港セントレアを拠点として、国内線と国際線を運航してきた。しかし、エアアジアは10月5日、新型コロナの感染拡大に伴い減便や運休を実施したことや需要低迷に伴い、経営状況が厳しい状態となり、事業継続能力に影響が出たことから、日本からの撤退を決めたと発表していた。
一方でエアアジアは同日、新型コロナのワクチンの開発が進んでいることから、海外旅行の再開への期待を表明。エアアジア・マレーシアの第3四半期の旅客数は36%増加しており、16日に開始したスーパーセールにより売上高は前の週に比べて57%増加したと強調した上で、今後の業績改善に自信を示した。

 

マレーシア: 経済2021年予算について(2)

11月6日、マレーシア政府の2021年予算案が上程されました。この予算は「過去最大規模」をうたっており、国民に対して手厚い支援を行うものですが、「なし崩し的に財政を拡張していない」という姿勢をみせるための工夫がいくつか見られます。

表は過去3年分の財政収支を示したものです。財政規律を重視する姿勢を示しているひとつめの点として、マレーシア政府は歳入から給与や債務返済、補助金などの経常的な支出を差し引いた経常支出が赤字にならないように配慮していることが分かります。経常支出が歳入の範囲内に収まるように努力することで、「将来への投資には借入が必要だが、当年の支出に困っているわけではない」ところを見せています。ただし、マレーシア政府は経常支出費目のいくつかを開発支出に付け替えていることをみとめていますので、実態は苦しいところです。

2点目は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延に対応するために、通常の予算と独立した「COVID-19基金」を時限的に立ち上げて、そこから支出を行っている点です。これにより、COVID-19を言い訳として実際には財政全体を拡張しているのではないか、という懸念に対応しています。さらに、この基金への拠出を2020年の補正予算で大きく行い、2021年予算では半額程度に抑えていることもポイントです。結果として、財政赤字のGDP比は2020年の6.0%から2021年は5.4%と改善しています。

8月に財政赤字の累積額の上限をGDP比55%から60%に引き上げたことも含めて、形式的な面が強くても財政規律に配慮する姿勢をみせることは、格付け機関や国際機関の心証を良くするためには重要なことです。

セランゴール&KL、「全域ロックダウンはせず」上級相

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は18日、セランゴール州とクアラルンプール(KL)で新型コロナウイルス「Covid-19」感染者が急増していることに言及。現時点では全域でロックダウンを行なう考えはないと強調した。

サブリ上級相は、高リスク地域について強化行動制限令(EMCO)の是非を検討の上で、ゴム手袋製造大手のトップ・グロープの従業員宿舎などレッドゾーンの封鎖のために一部地域を限定してEMCOを発令を決めたと強調。また感染者多発のためにKLなどで複数の建設現場が工事中止に追い込まれたことについては、現時点でEMCOを発令する必要はないと考えていると述べた。

またサブリ上級相は、一部の州について条件付き行動制限令(CMCO)指定解除を検討していることを公表。20日にもその是非について明らかにする方針を示した。

一方、サブリ上級相は、レッドゾーンとなったペラ州メルの2カ所とサバ州の2カ所で20日付けでEMCOに指定すると発表した。期間は12月3日まで。

 

新型コロナ感染者は660人、累計で5万人を超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)18日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から660人増加し、6日ぶりに1千人を下回ったと発表した。アクティブ感染者数は1万2,814人で、累計感染者数は5万390人となり、5万人を超えた。

州・地域別の感染者数はサバ州が最も多く387人となった。それに▽セランゴール州(141人)▽ネグリ・センビラン州(31人)▽クアラルンプール(KL、31人)▽ペナン島(16人)▽ペラ州(16人)

▽ラブアン(13人)▽ケダ州(11人)▽マラッカ州(4人)▽サラワク州(3人)▽ジョホール州(3人)▽クランタン州(3人)▽プトラジャヤ(1人)ーーとなった。トレンガヌ、パハン、ペルリス3州はゼロだった。新たに630人が退院し、累計治癒者は3万7,254人だった。死者数は4人増えて累計322人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官によると、17日には新たに5つのクラスターを確認した。うち4つが職場でのクラスターだった。サバ州コタキナバルの「アベニュー・クラスター」では109人、「ケジョラ・クラスター」では8人に陽性反応が出た。クアラルンプールのケポンの「カサー・クラスター」では19人、ペナン州のティムル・ラウトの「サマー・クラスター」では10人の感染を確認、クランタン州コタバル、マチャン、タナメラ、トレンガヌ州ベスで発生した「メンケティル・クラスター」では23人が陽性となった。

ノール氏は、アクティブなクラスター数は162に上るが、うち72が職場に起因するクラスターであると指摘。首都圏で感染者が増加しているのも、職場のクラスターが原因であるとし、衛生面の対策やソーシャルディスタンスの確保を強化するべきとした。

マラッカの人口島開発計画、契約不履行で失効

【マラッカ】 マラッカ州沖を埋め立て3つの人工島を建設する「マラッカ・ゲートウエー」事業がとん挫した。
州政府は開発推進母体のKAJデベロップメントが事業を履行できなかったとして、2017年10月に交わした契約の失効を宣言した。KAJは用地を州政府に返却しなければならない。
開発面積246ヘクタールの大規模プロジェクトで、人工島には国際クルーズターミナル、マリーナ、高級コンドミニアム、ホテル、プライベートマリーナのある別荘風住宅、テーマパークの建設が計画されていた。中国企業3社との提携で深水港を整備する計画もあった。
プロジェクトには、シンガポールのTREデベロップメント、イタリア企業、韓国とマレーシア企業の合弁体、中国のカセン・インターナショナル、米ロイヤル・カリビアン・クルーズが参加していた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、11月16日)