【クアラルンプール】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は29日、首都圏での新型コロナウイルス(Covid-19)ワクチン接種率が成人人口の89.5%に達し、集団免疫獲得目標に到達していることから、近く国家復興計画(NRP)の第2フェーズに移行する可能性があると述べた。

首相はワクチン供給アクセス保証特別委員会(JKJAV)の会議を開催し、協議を行なうと述べた。首都圏に限らず、第1フェーズにとどまっている他の州に関しても移行を検討するという。

NRPのフェーズ移行に関しては、当初は新規感染者数が基準のひとつとされていたが、成人人口のワクチン接種率が50%を超えた後は、新規感染者数に代えて重症者数を基準とすると今月発表されていた。他の基準である集中治療室(ICU)の使用率も首都圏では下がってきており、ワクチン接種率も目標を超えたことから、第2フェーズへの移行の可能性は高いとみなされている。

一方、首相は、ワクチン接種率が低く、成人人口の50%を下回っている6つの州について、9月末までにすべての州を50%以上に引き上げる意向を示した。現状、6つの州の接種率は、▽ペラ州(46.5%)▽トレンガヌ州(46.2%)▽ジョホール州(44.9%)▽ケダ州(43.2%)▽クランタン州(43.1%)▽サバ州(37.1%)ーーとなっている。

職域接種については、外国人労働者を雇用しているすべての工場経営者は、工場敷地内にワクチン接種センター(PPV)を設置すべきだとした。工場がコロナ感染の発生源になってはならず、外国人労働者が一般向けPPVに行列し混雑を生むことを避けるためにも、職場で接種を受けられるようにすべきだと強調した。ドライブスルー方式のワクチン接種についても近々拡大される予定で、15分以内でワクチン接種を受けられるようになるという。

(マレー・メイル、エッジ、8月29日)