不動産物件供給戸数、前年下半期に比べ8%減少

【クアラルンプール】 不動産・住宅開発業者協会(REHDA)が21日に発表した「2021年上半期不動産業界調査」によると、上半期に発売された不動産物件数は1万1,601件で、2020年下半期(1万2,640件)に比べて8%減少した。
ソアム・ヘンチュン会長が記者会見で明らかにしたところによると、成約件数は4,524件で、1万1,601件のうち成約率は39%となり、2020年下半期の成約率(45%)と比較して6%下がった。
住宅物件のタイプ別では、3,955戸のアパート・コンドミニアムが販売を開始し、最も多かった。うち503戸に買い手がついた。多くの物件がセランゴール州のプチョンとクランの物件だった。2ー3階建ての連結型住宅物件の供給数は3,142戸で、成約件数は2,312戸。サービス付きアパートの供給数は、1,156戸だった。価格帯としては、25万1ー50万リンギの住宅物件が45.1%と最も多かった。
一方で商業用物件では、ショップロットやショップ兼オフィス物件の供給数が141件、連結型工場物件が38件となった。
今年下半期には1万5,076件の住宅物件が販売される予定だ。うち9,319件が分譲集合住宅物件、5,549件が土地付戸建住宅となる見通し。トレンガヌやペラ、ケダ、ペルリス、ネグリ・センビラン州では25万1ー50万リンギ、クアラルンプールやペナン、セランゴール州では50万1ー70万リンギの価格帯の物件が主に販売されるという。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、10月21日)

消費回復は22年になってから、フィッチ見通し

【クアラルンプール】 フィッチ・ソリューションズは、家計・個人消費がパンデミック以前の水準を取り戻すのは2022年になってからとの見通しを示した。同社は格付け会社フィッチ・レーティングスの調査部門。
20日公表した22年の消費見通し報告でフィッチ・ソリューションズは、22年上半期にかけワクチン接種が加速し、小売業に対する制限も解除されるため、経済、消費が回復するとの予想を示した。
パンデミック発生前の19年の消費支出は9,050億リンギで、22年についてフィッチは9,150億リンギを予想している。
20年、21年の消費が低迷したのは移動制限などの規制が敷かれたためで、特に小売業販売額の60%を占める首都圏クランバレーでは厳しい規制が行われた。
フィッチによると、ワクチン接種は加速しているが、年内の集団免疫獲得は困難で、年末の消費急増はほとんど期待できないという。
(ザ・サン、10月22日、エッジ、マレー・メイル、10月21日)

ファイザー製ワクチン追加接種、シノバック接種者へも拡大

【クアラルンプール】 カイリー・ジャマルディン保健相は21日、新型コロナウイルス「Covid-19」のファイザー製ワクチンの追加接種(ブースター接種)について、22日付けで対象をシノバック製ワクチン接種者にも拡大すると発表した。
接種対象は接種を終えてから3カ月以上経った人で、60歳以上の高齢者から開始する。追加接種は任意で、ワクチン接種プログラム(PICK)の下では無料。保健省傘下企業のプロテクトヘルスの下、一般開業医が接種を実施する。接種対象者にはコロナ情報・追跡アプリ「MySejahtera」やショートメッセージ(SMS)で通知する。オンライン予約システムも開発中だ。
ブースター接種に使用されるのはファイザー製ワクチンとなるため、シノバック製ワクチン接種者にとっては異種混合接種となる。世界保健機関(WHO)の予防接種に関する戦略諮問委員会(SAGE)の勧告に基づいて異種混合によるブースター接種実施が決定されたが、適応外使用となるため臨床研究の一環として行なわれる。
カイリー氏は、首都圏、サラワク、ネグリ・センビランでの入院患者数が増加していることから、ブースター接種の対象拡大を決定したと述べた。特に10月11日に州をまたいだ旅行が許可された後、政府系病院や低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)への入院数が増加傾向にあるため、対象者にはブースター投与を受けることを推奨しているとした。
ブースター接種は13日から開始。ファイザー製ワクチンの接種を6カ月以上前に受けた人を対象に、60歳以上の高齢者、医療従事者など最前線で働く人、合併症のある人を優先して実施していた。19日時点で、合計4万7,728人がブースター接種を受けた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月22日、エッジ、マレー・メイル、10月21日)

マレーシア経済の完全回復は来年半ば=MICPA-MARC

【クアラルンプール】 マレーシア公認会計士協会(MICPA)とマレーシア・レーティング・コープ(MARC)は、新型コロナウイルス「Covid-19」で打撃を受けたマレーシア経済の完全回復に2022年半ばになるとの見通しを明らかにした。
両者が共同発表した「MICPA-MARC経済アップデート&アウトルック2022」によると、現在マレーシア経済は緩やかな回復に向かって進んでおり、経済が徐々に再開していることから緩やかなペースではあるものの今年第4四半期から回復が見込まれると指摘。コモディティ価格の上昇と主要貿易相手国の景気回復にともなう需要回復による輸出増によって恩恵を受けるが、ロックダウンによる第3四半期のマイナス成長が予想されることを考慮し、今年通年の国内総生産(GDP)成長予想をプラス3.9%としている。
またリンギ安と生産再開に下支えされた輸出が引き続き経済回復を後押しするとし、世界的なデジタル化推進と半導体不足の中にあって、年初7カ月で20.4%増加した電気・電子セクターが輸出の中心となると指摘。ただ新型コロナ変異株の出現や世界経済回復の不均衡が輸出全体のリスクになっているとし、来年まで続くとみられるサプライチェーンのボトルネックも製造業の伸びを阻害する可能性があるとしている。
財政に関しては歳入不足の中での財政支援策が財政赤字を増やすことになるとした上で、通貨リンギについては世界的な原油価格の高騰とマレーシアの健全な貿易黒字に下支えされていると分析。ただ財政見通しの悪化による国際信用格付機関によるマレーシアのソブリン信用格付けの格下げの可能性を含む下振れリスクなどで上振れする可能性は限定的だと指摘している。
金利については、マレーシアが確実に回復モードに入るまで中央銀行バンク・ネガラ(BNM)が、翌日物政策金利(OPR)を過去最低の1.75%で当面維持すると予想している。
(ザ・サン、10月22日)

新型コロナの感染者数は6630人、ジョホール州などがNRP第4期に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は22日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は6,630人だったと発表した。累計感染者数は242万222人となった。
21日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,345万1,810人で、接種率は71.8%。成人の接種者数は2,208万4,594人で、接種率は94.3%となった。1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は0.86で変わらなかった。
21日には7,562人が回復し、累計治癒者は累計で230万3,583人となり、死者数は96人で、累計で2万8,234人となった。アクティブ感染者は、前日から1,448人減少し、8万1,775人となった。アクティブ感染者数のうち、77.4%が自宅、14.2%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、7.6%が医療機関、0.8%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。
また新たに6カ所のクラスターを確認。コミュニティで3カ所、職場で2カ所、医療センターで1カ所となった。州・地域別でセランゴール、ネグリ・センビラン、サバでそれぞれ2カ所のクラスターを確認した。

 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、25日付けでジョホール州とトレンガヌ州が国家復興計画(NRP)の第3フェーズから第4フェーズに移行すると発表した。

スーパーマックス製品も米国で禁輸措置、強制労働で

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 米国税関国境警備局(CBP)は20日、強制労働を行っている合理的な情報があるとしてマレーシアのスーパーマックス・コーポレーション製ゴム手袋の輸入を禁止すると発表した。
違反商品保留命令(WRO)の対象となったのは、スーパーマックスの完全所有子会社であるマクスター・グローブ・マニュファクチャリング、マクスウェル・グローブ・マニュファクチャリング、スーパーマックス・グローブ・マニュファクチャリングが製造したゴム手袋。
CBPによると、調査の過程で11項目の強制労働指標のうち10項目で違反が確認された。スーパーマックス及び子会社が米国の貿易法に違反し、強制労働を通じて手袋を製造していると結論付ける「十分な証拠」を持っているという。
マヨルカス米国土安全保障長官は声明の中で、「今回のWROを通じて、バイデン政権は強制労働によって製造された製品を米国に持ち込ませない方針を引き続き明確にしている」と述べた。
マレーシアのゴム手袋メーカーでは、世界最大手のトップグローブが2020年7月に同様の輸入禁止措置に遭い、WRPアジアパシフィックも2019年9月に禁輸措置を受けた。

海上輸送運賃が7倍に、輸出品の競争力が低下=荷主協会

【クアラルンプール】 マレーシア全国荷主協会(MNSC)が実施した調査によると、海上輸送運賃が新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大前と比較して最大で7倍上昇しており、過去最高の水準となっている。
アンディー・ソー会長によると、サプライチェーン(供給網)の混乱が起きた上、船舶やコンテナ不足が起きたことで、海上運賃が上昇した。そのため荷主の間では上昇したコストを吸収したり、消費者への転嫁を余儀なくされたという。その結果、マレーシアからの輸出品の価格が高騰し、世界的な競争力が低下しているという。この状況がいつ正常化するか見通しが立っていないため、荷主は複数の輸送業者に依頼したり、他の荷主とコンテナや船舶スペースを共有したり、海上輸送ではなく、空路や陸路、鉄道などを使用した輸送の検討を行うなど対策を講じている。
MNSCは、国内の物流大手との間で海上輸送以外の代替案について協議した。また運輸省や物流業界関係者との間で連携して正当な料金に戻せるよう取り組んでおり、海外当局に対しても輸送量を拡大するよう働きかけを実施。また政府に対して、マレーシア対外貿易開発公社が運営する市場開発基金(MDF)が給付する運輸費用の補助金が年末で打ち切られることから、延長を求めている。
(マレーシアン・リザーブ、10月20日)

製造業などで7.7万人分の人手が不足=全国商工会議所

クアラルンプール】 マレーシア全国商工会議所(NCCIM)は、新型コロナウイルス「Covid-19」から経済が回復する中、製造業や建設業など特定のセクターが労働力不足に直面しており、会員企業835社で合計7万7,721人分の人手が足りていないと明らかにした。
NCCIMの緊急調査によると、不足が指摘されている7万7,721人分の労働力の77.1%を製造業が占めており、建設業が11.2%、その他サービス業が8.9%を占めた。
NCCIMのロウ・キエンチュエン会長は、2年近く続いた再三の操業規制と緩和によるオンオフ状態の中で外国人労働者の雇用期間切れや他のセクターからの労働者の横取りなどで労働者不足が起きていると指摘。こうした問題を迅速に解決するよう政府に要請した。
このほか複数の業界団体から得られたデータによると、農園が7万人の外国人労働者を必要としているほか、ゴム手袋産業が2万5,000人、家具製造が3万人、建設が20万人、製造業が2万5,000人、サービス業が4万5,000人、プラスチック産業が6,293人を必要としているという。
外国人労働者の数は現在110万人で、2018年の190万人から比べて80万人減少している。国内の失業者25万人で埋めたとしても、残り50万人以上の人員が不足するという。
(ザ・スター、10月21日)

新型コロナの感染者数は6210人、4日ぶりに6千人台に増加

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は21日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は6,210人だったと発表した。累計感染者数は241万3,592人となった。
20日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,326万5,448人で、接種率は71.2%。成人の接種者数は2,204万7,448人で、接種率は94.2%となった。1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す20日の基本再生産数(R0/RT)は0.86に下がった。
20日には9,401人が回復し、累計治癒者は累計で229万7,289人となり、死者数は76人で、累計で2万8,138人となった。アクティブ感染者は、前日から3,961人減少し、8万3,223人となった。アクティブ感染者数のうち、77.1%が自宅、14.4%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、7.8%が医療機関、0.8%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。

また新たに4カ所のクラスターを確認。職場で3カ所、教育機関で1カ所となった。州・地域別ではペセランゴールで2カ所と最も多く、2カ所共に職場に関連したクラスターだった。その他、ペナンとKLでそれぞれ1カ所のクラスターを確認した。

日系企業の景況感が悪化もコロナ前の水準維持=JACTIM

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)は21日、JACTIM会員企業を対象に実施した2021年下期の景気動向調査を発表。「良好」から「悪化」を引いたDI値がマイナス20.4となり、大きく持ち直した前期から8.6ポイント悪化したものの、新型コロナウイルス「Covid-19」以前の同等水準は維持した。  同調査は半年に1度行なっているもので、72回目となる今回は2021年9月1日から9月30日にかけて会員企業552社を対象に実施し、191社(製造業120社、非製造業71社)から回答を得た。長期間の行動規制による経済低迷や操業率低下を要因とする声が多かった。来期についてはプラス3.1への改善が予測されている。  従業員数DIはマイナス15.2と、3期ぶりに不足に転じた前回よりさらに13.4ポイント悪化。不足傾向が強まっており、来期予測値もマイナス20.4とさらに悪化する見込みとなった。  業界の需給判断DIはプラス15.7と、需要超過が鮮明化。来期は1.1ポイントの小幅増予測と上昇の一服が見込まれるも、需要超過状態が継続される見込み。  業績に影響を与える要因については、回答企業のうち86.9%が新型コロナによる影響を挙げたほか、66.5%が規制変動を挙げた。一方、米国、欧州、東南アジア諸国連合(ASEAN)、中国の経済動向や米中貿易摩擦等他国の経済動向による影響との回答は減少を示した。