【クアラルンプール】 3日に行われた国連の緊急特別会合で、ウクライナを軍事侵攻したロシアに対する非難決議が採択され、これまで曖昧な態度をとっていたマレーシアも非難決議に賛成票を投じた。同決議案には141カ国が賛成、ロシアやベラルーシ、北朝鮮など5カ国が反対し、中国やインド、ベトナムなど35カ国が棄権した。
マレーシア外務省は同日声明を発表し、「マレーシアは決議文のすべての言葉に同意したわけではないが、国家の主権、独立、領土保全の原則を一貫して支持するとのマレーシアの長年の立場に則って、それを支持し賛成票を投じた」と説明。ロシアを名指しするような直接的な批判は避けた。
その上で外務省は、「ウクライナ・ロシア両国の強固で緊密な関係、複雑な地政学的文脈を考えると、両当事国の主張の食い違いや安全保障上の懸念は、対話と平和的手段を通じて対処されなければならないと信じている」とし、「その点においてベラルーシで行われている両国の直接交渉を歓迎し、平和的な会談が成功することを期待している」とした。
また外務省は、国連安全保障理事会に対して紛争解決の努力を継続することを求めた上で、安保理は国際平和と安全の管理者としての主要な責任を果たさなければならないと強調。「国連の責任ある加盟国として、マレーシアは紛争の平和的解決への長年のコミットメントを再確認する」と述べた。
ロシアによる軍事侵攻についてイスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、遺憾の意を示し平和的解決を望むとの立場を表明したもののロシアに対する直接的な批判を避けており、在マレーシア・ウクライナ大使館のオレクサンデル・ネチテイロ大使はマレーシア政府に明確な立場を示すよう求めていた。
(ベルナマ通信、3月3日)