【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 5月3日の世界報道自由デーに合わせて「国境なき記者団(RSF)」が発表した2023年度版の「世界報道自由度インデックス」で、マレーシアは前年(113位)から40ランク上昇し、世界180カ国・地域中73位と過去最高を記録した。

同ランキングは、▽政治▽経済▽法律▽社会▽安全ーーの5指標に基づいて報道の自由度をランキング化したもの。マレーシアは「安全」が38位、「経済」が57位、「社会」が60位と比較的高評価だった一方、「政治」は89位、「法律」は138位と低評価だった。

報告書は昨年と同様に、メディアがタブーに取り組んだり政治家や官僚を批判しないようマレーシア政府が多大な政治的圧力をかけていること、微妙な問題を孕むスルタン制に関する報道に対する検閲を強いていると再び指摘。マレーシアのジャーナリストが物理的な攻撃の標的になることはめったにないが、一部は司法嫌がらせや誹謗キャンペーンの対象になっているとした

マレーシアの評価は東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国でもトップを維持し、▽タイ(106位)▽インドネシア(108位)▽シンガポール(129位)▽フィリピン(132位)▽ブルネイ(142位)▽カンボジア(147位)▽ラオス(160位)▽ミャンマー(173位)▽ベトナム(178位)ーーを上回った。

総合ランクトップはノルウェーで、アイルランドやデンマーク、スウェーデンなど北欧諸国が上位を占めた。日本は68位、中国は179位、最下位は北朝鮮だった。