【クチン】 サラワク州のアバン・ジョハリ首相は10日、ちとせグループ(本社・神奈川県川崎市)がサラワク州に建設した藻類生産設備「ちとせカーボン・キャプチャ・セントラル(C4)」の開所式を実施した。

C4は、ちとせグループの中核企業であるちとせ研究所が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業として建設した世界最大規模の藻類生産設備。サラワク州営電力会社のサラワク・エナジー(SEB)やサラワク生物多様性センター(SBC)と共同で推進しており、隣接する火力発電所から出る排気ガス中の二酸化炭素(CO2)を活用して持続可能な航空燃料(SAF)などを製造する。敷地面積は現在約5ヘクタール(ha)だが、将来的には2,000haまで拡大する計画だ。

アバン州首相は、C4の設立は持続可能な州経済に向けた重要な節目であり、新規雇用機会を創出し、州経済の成長も促進できると言明。藻類は、SAFや食品、医薬品などの材料になるとし、2,000ha規模での藻類生産を行った場合、最大5,000人の雇用機会を創出し、年間約20万トンのCO2を脱炭素化できると述べた。
(マレー・メイル、ベルナマ通信、5月10日)