首相の中央アジア3カ国訪問、24億リンギ相当の潜在的輸出確保

【クアラルンプール】 投資貿易産業省(MITI)は、5月15ー19日に行われたアンワル・イブラヒム首相の初のキルギス、カザフスタン、ウズベキスタンの中央アジア3カ国公式訪問により、24億リンギ相当のモノとサービスに関する潜在的な輸出を確保できたと発表した。

アンワル首相と共に3カ国を訪問したテンク・ザフルル投資貿易産業相によると、潜在的な輸出セクターは、電気・電子(E&E)、パーム油・パーム油製品、日用消費財(FMCG)、エネルギー・産業ソリューション、食品・飲料(F&B)、家具、 ハラル(イスラムの戒律に則った)製品・サービス、石油・ガス(O&G)、建材および建設、専門サービス、宝飾品などで、カザフスタンとウズベキスタンにおける個別の円卓会議で産業界の代表が確約した。

カザフスタンの首都アスタナでは同国のオルジャス・ベクテノフ首相とアンワル首相が共同議長を務め、鉱業、O&G、エネルギー、建設、FMCG、観光などの分野を代表するカザフスタン企業12社の著名なビジネスリーダー26人とマレーシア代表団による円卓会議が開催された。

ウズベキスタンのサマルカンドでは、同国のジャムシド・ホジャエフ副首相とアンワル首相が共同議長を務め、製薬、建設、不動産、O&G、小売、流通、金融サービスなどのウズベキスタンの大手企業やマレーシア企業の代表200人以上が参加するハイレベル・ビジネス・フォーラムが開催された。

このほかアンワル首相は、マレーシアの団体とカザフスタンおよびウズベキスタンの団体との間で8件の覚書(MoU)締結式に立ち会った。覚書の1つは、マレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)とウズベキスタン商工会議所(CCIU)の間で交わされたもので、貿易促進、訓練・教育、研究開発に関する協力に向けたもの。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月21日)

通年の経済成長率、エコノミストは従来予想を維持

【クアラルンプール】 第1四半期のマレーシア国内総生産(GDP)成長率は前年同期比4.2%となり、ブルームバーグが意見を聞いたエコノミストの予想中央値(3.9%)を上回ったが、大方のエコノミストは通年の成長率予想(3.5-4.7%)を維持した。

シンガポール系UOB(大華銀行)は4.6%との通年予想を維持。成長要因として、世界的な半導体景気循環の改善、観光業の活況、インフラ事業など予算措置の実行を挙げた。不透明要素として補助金削減計画、地政学上のリスクがあるという。

政府系金融機関のMIDFは4.7%の成長予想を維持した。内需拡大はこの先も続くとみている。リスク要素として地政学・貿易上の緊張、米中経済の成長鈍化を挙げた。

市場・経済調査の英系キャピタル・エコノミクスはやや悲観的で3.5%の成長を予想。ほかの調査会社と異なり、GDPの60%を占める個人消費が減少するとみており、予定されている食品・燃料補助金の削減で下半期の物価は急上昇する可能性が高いとしている。求人数が減少傾向にあることも不安要因として挙げた。
(エッジ、5月17日)

プロトンが新EV名前当てクイズを開始、来年発売に向け

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは、電気自動車(EV)販売子会社のプロトン・ニュー・エナジー・テクノロジー(プロネット)を通じ、同社が新しく発売するEVブランド名を当てるクイズを開始した。

6月5日まで開催され、賞金総額は8,000リンギ。応募は1人1回のみ。

プロトンは2025年にEVを発売開始する予定で、中国・吉利汽車との共同開発を発表していた。今回のクイズによると、新EVは、吉利汽車の「ギャラクシー」シリーズのような新しいサブブランドで発売され、販売はプロネットが担当する模様。クイズに用いられている画像は吉利汽車のコンパクトEV「ギャラクシーE5」のもので、「E5」がプロトンの新EVのベースとなると予想されている。

「E5」は今年3月に発表されたCセグメント・スポーツ車(SUV)で、プロトンの「X70」より一回り大きく、全長4,615ミリメートル(mm)、全幅1,901mm、全高1,670mm。シングルモーターを搭載し、最高出力は218馬力(PS)、最高時速175キロメートル(km)。
(マレー・メイル、ソヤチンチャウ、ポールタン、テックネイブ、ジグホイールズ、5月20日)

キャピタルA子会社、カンボジアで航空機整備の免許取得

【クアラルンプール】 格安航空業務などを展開するキャピタルAのエンジニアリング部門子会社、アジア・デジタル・エンジニアリング(ADE)はカンボジア民間航空庁から整備機関としての認証を受けたと発表した。航空機整備・補修サービスに携わる。

認証を受けたのはADEと現地企業シビライ・アジアとの合弁会社ADEカンボジア。プノンペン国際空港を拠点に業務を行う。ADEがマレーシア以外で事業免許を得たのは初めて。5月初旬に運航を開始したエアアジア・カンボジアやほかの航空会社の機体の整備に当たる。エアアジア・カンボジアもエアアジアとシビライ・アジアの合弁事業。

ADEのマヘシュ・クマル最高経営責任者(CEO)は、将来的にカンボジアのほかの空港でも保守・修理サービスを提供すると意欲を表明した。
(エッジ、5月20日)

クラリオンマレーシア、5G対応高度製造ラインを試験稼働

【クアラルンプール】 カーオーディオのクラリオン・マレーシアは、通信のYTLコミュニケーションズおよび電子機器受託製造(EMS)のシナジェンツとの協業により、国内初の第5世代移動通信(5G)対応高度製造ラインの試験稼働に成功したと発表した。

YTLの接続サービス「イエス」の大容量かつ超低遅延な5Gプライベート・ネットワーク(企業専用5G網)、仏ダッソー・システムズの次世代統合基幹業務システム(ERP)や製品ライフサイクル管理システム(PLM)を導入し、生産効率と品質の両方を向上させた。シナジェンツは、インテリジェント・スキャナー、スマート・ラック、X線自動カウンター、自律移動ロボットなどの5G対応製造ソリューションを提供。工場・倉庫の資材管理から最終製品の組立・配送まで自動化することで、人的ミスを最小限に抑えながら処理時間を70%短縮した。

YTLが米インテル、台湾QCTと共同で開発した「イエス5Gプライベート・ネットワーク」は、高速な接続を提供するだけでなく、世界標準に準拠した堅牢なセキュリティの実現に向け、インテルの最新CPU「ジーオン(Xeon)スケーラブル・プロセッサー」を採用し、トラフィックを専用5G網内で完結させているという。
(ソヤチンチャウ、デジタル・ニュース・アジア、5月20日)