7月の自動車販売、前月比で23%の大幅減に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア自動車協会(MAA)の発表によると、会員企業による2022年7月の自動車販売台数は4万8,922台となり、前月比で23%の大幅減となった。

売上・サービス税(SST)減免措置の終了を前にした駆け込み需要のあった6月からの反動に加え、半導体や自動車パーツ不足が生産・販売に影響を及ぼした。

一方、新型コロナウイルス「Covid-19」抑制のために再度強化された行動制限令(MCO)の影響で落ち込んだ前年からの反動で前年同月の6.5倍となった。
7月の販売は乗用車が4万3,594台で前年同月比8.2倍、商用車は5,328台で同2.5倍となった。一方、生産台数は5万2,061台で18.8倍となった。乗用車は20倍の4万8,002台、商用車は10.7倍の4,059台だった。

MAAは8月の見通しについて、7月の実績並みと予想している。

1—7月の販売台数は38万595台で、前年同期比48.3%増。生産台数は36万9,994台で、同51.6%増となった。

第2四半期の経済成長率、プラス8.9%に加速=中銀

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 中央銀行バンク・ネガラ・マレーシア(BNM)は12日、2022年第2四半期(4ー6月)の国内総生産(GDP)成長率が前年同期比プラス8.9%だったと発表した。新型コロナウイルス「Covid-19」の規制緩和を受けて経済活動が正常化したことや、労働市場の改善、堅調な輸出により前期の5.0%を上回り、3四半期連続でプラス成長となった。

サービス業は小売業や娯楽産業の後押しを受けて、プラス6.5%から12.0%に加速。製造は堅調な内外需要に支えられて、前期(プラス6.6%)を上回る9.2%となった。大規模な商業・工業事業などが実施された影響で、建設はマイナス6.2%からプラス2.4%に転換。鉱業も石油・ガスの増産に伴い、マイナス1.1%からマイナス0.5%に回復した。その一方で、肥料や除草剤の高騰に伴う投入コスト増や、人材不足の影響を受けた農業は、プラス0.1%からマイナス2.4%に減速した。

国内需要はプラス4.4%から13.0%に加速。民間消費も前期(プラス5.5%)を上回る18.3%となり、前期はプラス0.4%だった民間投資も6.3%までさらに上昇した。

一方で、公共支出は前期のプラス6.7%から2.6%に減速した。マイナス0.9%だった公共投資はプラス3.2%に回復。モノとサービスの輸出は、プラス8.0%だった前期から10.4%に、プラス11.1%だった輸入も14.0%にそれぞれ加速した。

BNMは、今後は世界経済の回復が予想を下回る可能性があり外需が鈍化することが見込まれるものの、堅調な内需、労働市場の回復、観光・観光関連産業の回復、国境再開による経済活動の活発化により、経済成長を続けると予想した。

 

国内企業ブランドランク、ペトロナスが12年連続首位=調査

【クアラルンプール】 ブランド価値評価コンサルティング会社の英ブランドファイナンスは、「2022年版マレーシア企業ブランド価値トップ100」を発表。国営石油会社ペトロナスのブランド価値が前年比13%増の136億米ドル(606億リンギ)となり、12年連続で首位となったと明らかにした。

ブランドファイナンスによると、2位のリゾート運営のゲンティンのブランド価値は前年比44%アップの45億米ドル(200億リンギ)。国内トップブランドのブランド価値は、パンデミック後の経済回復に伴い成長し、トップ100全体の価値は前年の444億米ドル(1,970億リンギ)から21%増の537億米ドル(2,390億リンギ)になっている。

トップ10には、ペトロナス、ゲンティンに次いで、▽メイバンク(金融)▽CIMB銀行(金融)▽テナガ・ナショナル(電力)▽サイム・ダービー(コングロマリット)▽パブリックバンク(金融)▽マキシス(通信)▽エアアジア(航空)▽テレコム・マレーシア(通信)ーーがランクインした。

ブランドファイナンスのアジア太平洋地域責任者であるアレックス・ヘイ氏は、ペトロナス、メイバンク、アフィン銀行など、石油・ガス、銀行、通信分野でトップの業績を上げているブランドは、デジタル変革を続け、パンデミック時に被った損失を取り戻していると言明。ペトロナスの持続可能性に関する取り組みと主力製品の需要増が、ブランド価値の向上に貢献したとし、ペトロナスは成長ポートフォリオの強化に加え、「2050年までに炭素排出量を正味ゼロにする」という目標の達成も目指しているとした。

ペトロナスは、今年6月、クリーンエネルギーの導入や商業化を目指し、新会社「ジェンタリ」を設立。また、2030年までに電気自動車(EV)充電設備約2万5,000カ所を設置し、環境に配慮したグリーンモビリティ・ソリューションを提供することを目標として掲げている。
(ポールタン、8月10日)

下半期の経済見通し、「良くなる」は25%=華人商工会調査

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア華人商工会議所(中華工商聯合会、ACCCIM)は、華人ビジネスを対象に実施した「マレーシア経済情勢調査(M-BECS)」(2022年上半期及び下半期予測)を発表。2022年上半期の経済状況について70.4%が「中立」と回答し、「良くなる」は14.7%、「悪くなる」は14.9%となった。ただ下半期については、「中立」は56.5%に減少する一方で、「良くなる」が25.0%に、「悪くなる」が 18.5%にそれぞれ上昇した。

同調査は4月26日から6月30日にかけてACCCIMの加盟社を対象に行い、860社から回答を得た。今年の通年見通しについては65.0%が「中立」、「良くなる」は20.5%で、「悪くなる」は14.5%だった。来年の見通しについては、「中立」が47.7%、「良くなる」は39.8%、「悪くなる」は12.5%だった。

今年上半期の業況については、「中立」が67.3%、「良くなる」が17.2%、「悪くなる」が15.5%だったが、下半期は「中立」が58.8%に縮小、「良くなる」が26.1%に上昇、「悪くなる」が15.1%に縮小した。2022年通年見通しは「中立」が65%、「良くなる」が21.2%、「悪くなる」が13.8%だったが、2023年は「中立」が47.8%、「良くなる」が39.6%、「悪くなる」が12.6%となった。

ACCCIMは、企業がインフレ率の急上昇と原材料費の高騰による世界的なスタグフレーション、ウクライナでの戦争、景気後退リスクの高まり、米国の金利上昇など国際的な影響に慎重となっているとみており、国内についても原材料の高騰、労働者不足、操業コストの上昇、リンギ安が逆風となっているとしている。

ACCCIM社会経済研究センターのリー・ヘングイエ氏は、内需の改善と好調な輸出が今年上半期の回復を下支えしたと分析した上で、下半期については大半がビジネス、キャッシュフロー、債務者の置かれた状況に慎重になっていると指摘した。

自動車販売、6月はベース効果で前年の33倍に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア自動車協会(MAA)の発表によると、会員企業による2022年6月の自動車販売台数は6万3,366台で、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大抑制のためのロックダウンがあった前年同月の約33倍となった。

乗用車の販売台数は5万7,063台となり、ロックダウンにより販売店が閉鎖された前年からのベース効果で前年同月の約31倍、商用車は6,303台で同約74倍となった。6月末での売上・サービス税(SST)減免措置の終了を前にした駆け込み需要で、前月比でも22%増となった。

6月の生産台数は5万9,885台で、ロックダウンで生産がストップした前年同月の約217倍となった。乗用車は前年同月の約227倍の5万5,843台、商用車は同135倍の4,042台となった。

MAAは7月の見通しについて、SST減免期間中に行われた予約の履行がある一方で、半導体や部品不足が一部の生産に影響をもたらす懸念があることから販売台数は6月の水準を維持すると予想した。

1ー6月の自動車販売が前年比33%増、通年予想も上方修正

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア自動車協会(MAA)は、2022年上半期(1ー6月)の自動車販売台数が33万1,386台となり、前年同期比33.0%増となったと発表した。

新型コロナウイルス「Covid-19」封じ込めのために実施されたロックダウンの影響で大幅減少した前年からのベース効果もあって、乗用車は31.2%増の29万3,540台、商用車は49.2%増の3万7,846台と共に前年同期を大きく上回った。売上税の減免措置が6月末まで延長されたことも寄与した。

メーカー別販売シェアのトップはダイハツ系自動車メーカー、プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)の12万7,343台で、シェアは38.4%。2位は国民車メーカー、プロトン・ホールディングスの5万7,402台で、シェアは17.3%で、以下、トヨタ(4万5,449台、13.7%)、ホンダ(3万9,673台、12.0%)、三菱(1万2,621台、3.8%)ーーと続いた。

1ー6月の生産台数は31万7,933台となり、31.8%の大幅増となった。乗用車は31.4%増の29万4,122台、商用車は35.9%増の2万3,811台だった。販売と同じく、ロックダウンで生産が大きく落ち込んだ前年からの反動で大幅増となった。

2022年通年の販売見通しについてMAAは▽地政学的緊張、石油高騰、インフレ懸念、食料価格上昇、物流コストの上昇、サプライチェーンの混乱▽金利引き上げの動き▽不確実性に伴う投資抑制や総選挙実施の見通し▽部品や半導体不足による生産減の懸念ーーなどのマイナス要因があるものの、▽財務省が通年予想を5.3ー6.3%で維持するなどさらなる経済回復の見通し▽経済対策や補助金政策ーーが好影響をもたらすとして、60万台としていた従来予想を63万台に上方修正。前年比23.8%の大幅増と予想した。乗用車については25.3%増の56万7,000台、商用車は12.0%増の6万3,000台と見込んでいる。

マレーシア人訪日者数、上半期は6.2倍に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本政府観光局(JNTO)によると2022年上半期のマレーシアからの訪日者数は前年同期比6.2倍の4,700人となった。
6月単月では1,200人で、前年同月比で11.3倍となったが、前月(1,600人)からは減少した。

JNTOによると、2019年同月比では96.1%のマイナスとなった。新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の拡大により、マレーシアは日本政府による検疫強化(陰性証明書の提示等)、査証免除措置の停止等の対象となっている。しかし日本政府が定めた水際対策措置に基づく国・地域の区分でマレーシアは感染率が最も低い「青」区分となっており、観光目的の新規入国が条件付きで認められている。 一方で、マレーシア人の日本からの入国については、ワクチン接種証明の提出が義務付けられている。なお、日本への直行便は、前年同月と比較して回復傾向にある。
世界全体の6月の訪日者数は、前年同月比13.0倍の12万400人で、年初6カ月では前年同期比5.3倍の50万7,600人だった。

JNTOは、6月に添乗員付きパッケージツアーの受入れが再開したが、入国制限等の影響もあり、2019年比では95.8%減にとどまっていると指摘。今後もJNTOは、各国の感染状況や出入国規制の変化、ウクライナ情勢による航空便への影響等を注視しつつ、インバウンドの戦略的回復に向けて、プロモーションを実施するとともに地域の受入環境整備に努めていく必要があるとした。

2021年の平均寿命は75.6歳、50年前から12年延びる

【クアラルンプール】 7月11日の世界人口デーに合わせて統計局が発表した声明によると、2021年の平均寿命が75.6歳となり、1970年の63.6歳から約12年延びた。
2020年のマレーシアの総人口は3,240万人で、2040年までに4,150万人に達すると見込まれている。2020年の人口増加率は1.7%で、1970年の3.6%から減速。2020年の合計特殊出生率(TFR)は1.7人で、1970年の4.9人から減少し、過去50年間で最低水準となった。
また年齢分布においても15歳未満の子供の割合が2020年は24%となり、1970年の44.9%から低下。労働年齢人口(15ー64歳)の割合は1970年は52.1%だったが、2020年には69.3%に上昇しており、2040年までに66.9%にさらに上昇することが予想されている。
モハメド・ウジル主任統計官は、高齢化が進行しており、今後2030年までにさらに進むと表明。定年後に備えて資金や健

マレーシア人口は推定3320万人、年率1.2%増加=国連

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 国連(UN)が11日に発表した報告書によると、マレーシアの人口は2010年時点での2,750万人から2022年には3,320万人に増加する見通しだ。2020年から2025年までの年平均増加率については1.2%と推定されている。

世界人口デーに合わせて国連経済社会局(UNDESA)が発表した「世界人口推計2022年版」によると、2022年におけるマレーシアの人口の世代別割合は0ー14歳が23%、15ー64歳が69%、65歳以上の高齢者が8%となっている。

女性1人当たりの出生率(合計特殊出生率)は1.9人で、2022年に生まれた男性の平均余命は75歳で、女性は79歳となっている。また2017年時点での妊産婦死亡率は出産10万件当たり29人となっている。
就学率については、初等教育の純就学率は99%だったが、初等中等教育は88%、高等中等教育は64%にとどまった。

マレーシアの見通しが改善、原油価格上昇などで=ムーディーズ

【クアラルンプール】 ムーディーズ・アナリティクスは、マレーシアの経済見通しについて石油価格の上昇と新型コロナウイルス「Covid-19」で閉鎖されていた経済の再開によって改善されたとし、6月時点における今年通年の国内総生産(GDP)成長予想を7%に引き上げたことを明らかにした。
ムーディーズ・アナリティクス・アジア太平洋(APAC)地区チーフエコノミストのスティーブ・コクラン氏は、新型コロナ流行が終焉に向かい社会的距離のルールが緩和される中、国内消費の伸びが予想よりも速く加速したため、東南アジアにおいてはフィリピンと共にマレーシアの今年第1四半期のGDPが予想を上回る伸びを見せたと指摘。マレーシアについては原油の純輸出国であるという面から原油価格の高騰の恩恵、更には好調なハイテク製品の輸出の恩恵を受けているとし、マレーシアの輸出基盤が広範囲にわたっている点はマレーシアにとって良い兆候だと分析した。
さらにコクラン氏は、マレーシアの国内消費の伸びが全体的に回復したと指摘。行動制限が解除されたことで経済活動が復活したことで、内需回復がさらに加速すると予想した。
(マレーシアン・リザーブ、6月30日)