来年度予算は国民生活支援が柱に、メイバンク投資銀見解

【クアラルンプール】メイバンク・インベストメント・バンクは22年度の予算について、1,000億リンギ近くの赤字になる拡大予算で、パンデミックによる国民生活への対処が中心になるとの予想を示した。
主任エコノミストのスハイミ・イリアス氏は下半期の市場見通しに関する説明会で「従業員積立基金(EPF)からの年金原資引き出し容認、融資返済猶予といった措置は盛り込まれない。資金に限度があるためだ。パンデミックで生活水準が下がった国民の生計支援に政府は注力する」と語った。
格付け会社のソブリン債に対する評価について、スハイミ氏は格付けに影響を与える要素のいくつかはマレーシアに不利と指摘。政府債務の増加と収入に占める利子返済率の15%から17%への上昇を挙げた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、7月6日)

イオン(M)、ショッピングモールでの集団免疫構築を提案

【クアラルンプール】 イオン・カンパニー(M)は、政府に対してショッピングモールにおける集団免疫の構築を提案している。
シャフィー・シャムスディン社長は、政府は現在必須セクターに焦点を合わせているが、経済回復を促すためにも小売業者の従業員もすぐにワクチンを接種すべきだと言明。従業員のワクチン接種を進めることで、顧客の信頼感の向上や、国民のワクチン接種促進にも繋がるとした。
シャムスディン氏は、2021年12月31日締めの2021年会計年度の収益は昨年度と同程度になると楽観視していると言明。従業員に対する予防接種を進め、デジタル化への取り組みが奏効すると見込んでいるとした。
イオンは今年、2億5,100万リンギを設備投資に割り当てており、うち40%をテクノロジーやITインフラの強化、残りをショッピングモールの改修やメンテナンスなどに割り当てる。8月に、米国のボックスト・ホールセールと提携して新たなオンラインプラットフォーム「myAEONToGo」の発表を予定している。10月にはテナントがプラットフォーム内で販売をできるようにする。
イオンは7月に新たなショッピングモールをオープンする予定だったが、完全ロックダウン(FMCO)が実施されたため延期した。また日本をテーマとしたライフスタイルショップ「コマイ・ソー」のデジタル店舗のオープンも予定しているという。
(マレーシアン・リザーブ、7月5日)

ホテル業界が苦境、断続的制限令で閉鎖が長期化

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」対策のために断続的に操業禁止令が打ち出されているため休業期間が長期化しており、ホテル業界が生き残りをかけてさらなる人員削減、賃金カット、無給休暇などの対策を迫られている。
マレーシア・ホテル協会(MAH)によると、2020年末時点で約100軒のホテルが一時的もしくは永久的に閉鎖された。今年1月に新たな行動制限令(MCO)が発令された後、新たに20軒以上が閉鎖され、6月に発表された国家復興計画(NRP)を受けて、さらに一時閉鎖に追い込まれるホテルが増えている。
MAHが行なった最新調査によると、ホテルの約28%が人員を半分以上削減し、51%以上が10—40%削減した。賃金カットを行なっているホテルは45%、無給休暇を行なっているホテルは63%に上っている。
MAHのヤップ・リップセン最高責任者(CEO)は、海外旅行の回復が見込めない中、国内観光客の主要な供給源である首都圏の行動制限令の継続は業界全体に影響を及ぼすだろうと指摘。当初今年第4四半期と予想されていた観光業界の本格再開はずれ込むだろうと予想した。
その上でヤップCEOは先ごろ政府が発表した総額1,500億リンギの経済対策、「人民保護と経済回復パッケージ」(PEMULIH)に言及し、電気代の割引やサービス税減免は一部の効果しかなく、3千リンギの一時金については旅行会社だけでホテルは除外されているとし、業界に対する支援が不十分だと批判した。
(マレーシアン・リザーブ、7月5日)

ペナン州で行動規制を緩和、7月7日付けで

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は5日、国家安全委員会(NSC)特別会議で、7月7日付けのペナン州の国家復興計画(NRP)第2フェーズへの移行が承認されたと発表した。
完全ロックダウンとなっている現在の第1フェーズから第2フェーズに移行するための3つの基準をすべて満たした。新型コロナウイルス「Covid-19」新規感染者数は10万人当たり9.5人となり、基準値の12.2人を下回っている。また集中治療室(ICU)稼働率は中程度で、対応能力は適切なレベルにある。基準値ワクチン接種については成人人口の10.1%が二度の接種を受け基準値の10.0%を超えた。
5日からはすでに基準を満たした▽ペルリス▽ペラ▽クランタン▽トレンガヌ▽パハン——の5州が第2フェーズに移行しており、ペナン州は6州目となる。
サブリ氏はまた、これまで可否を巡って現場で混乱が生じていた非必需品の小売販売に関して、これらを元々扱っている食料品店やスーパーマーケット、ミニマートが販売することをNSCが承認したと発表した。一部で非必需品は販売できないとの誤解から、一部の売場が閉鎖され買物客が困惑する事態が起きていた。
サブリ氏はこのほか、これまで午前8時から午後8時までとなっていた飲食店の営業時間について、セランゴール州やクアラルンプール(KL)などの強化行動制限令(EMCO)に指定されている地域を除いて午前6時から午後10時までに規制を緩和すると発表した。またEMCO指定地域の住民がワクチン接種のために地域を出ることを認めると発表した。

新型コロナの新規感染者数は7654人、1カ月ぶりに7千人超

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は6日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が7,654人となったと発表した。1カ月ぶりに7千人を超えた。アクティブ感染者数は7万2,201人で、累計感染者数は79万2,693人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く3,260人だった。それに▽クアラルンプール(KL、1,550人)▽ネグリ・センビラン州(698人)▽ケダ州(337人)▽ジョホール州(313人)

▽サラワク州(286人)▽マラッカ州(230人)▽サバ州(225人)▽ペナン州(185人)▽パハン州(180人)▽クランタン州(118人)▽ペラ州(94人)▽ラブアン(82人)▽トレンガヌ州(61人)▽プトラジャヤ(33人)▽ペルリス州(2人)ーーが続いた。新たに4,797人が回復し、累計治癒者は71万4,815人となった。死者数は103人増えて、累計で5,677人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は5日、13カ所のクラスターを新たに確認したと明らかにした。
職場で11カ所、コミュニティで2カ所のクラスターが発生した。
州別では、ジョホール州、サバ州、ネグリ・センビラン州、パハン州、クランタン州でそれぞれ2カ所、ケダ州、ペナン州、サラワク州でそれぞれ1カ所発生した。