【クアラルンプール】 ムーディーズ調査部門のムーディーズ・アナリティクスは、マレーシア経済は減速を続けており、新型コロナウイルス感染症のデルタ変異株の感染拡大で世界貿易の加速が阻害されているため、回復の見通しが立たないとの見解を示した。
アジア太平洋地域主任エコノミストのスティーブ・コクラン氏によれば、第2四半期の経済が前期比マイナスだったように、マレーシア経済は変動が激しく、潜在需要などを考慮し、当初予想が下方修正された。
新たな患者数は増加しており、人口比での割合が高い。こうした感染拡大が抑制されなければ、第3 第4四半期の域内経済への影響は深刻だという。
コクラン氏は「国内消費は低水準のため輸出がマレーシア経済の生命線だが、感染拡大、行動制限による労働力不足で輸出は引き続き自動車・電子部品の生産不足に悩まされる」と述べた。
(マレーシアン・リザーブ、8月30日)