【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 岸田文雄内閣総理大臣は20日、イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相との間で約20分間、首脳電話会談を行なった。

岸田総理は、ロシアによるウクライナ侵略について、明白な国際法違反であり、アジアを含む国際秩序の根幹を揺るがすものとし、また、力による一方的な現状変更の試みに強く反対した。これに対し、イスマイル首相からも、マレーシアはウクライナにおける紛争激化を深刻に懸念しており、更なる事態の悪化を防ぐために平和的解決のためのあらゆる努力を加速する必要がある旨、また、いかなる国への侵攻にも反対であり、国連総会決議にも賛成した旨述べ、両首脳は引き続き緊密に連携していくことを確認した。
  岸田総理はまた、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化はより一層重要となっており、「自由で開かれたインド太平洋」と「インド太平洋に関するASEAN(東南アジア諸国連合)アウトルック」の実現に向け協力を強化したい旨述べ、イスマイル首相からは日本との協力を引き続き重視している旨の発言があった。
両首脳は、東シナ海・南シナ海情勢、北朝鮮、ミャンマー情勢といった地域情勢や、「核兵器のない世界」といったグローバルな課題に関しても意見交換を行い、今後も緊密に連携していくことで一致、今年の外交関係開設65周年及び東方政策40周年の機会を捉え、日・マレーシア関係を更に強化することでも一致したという。