【クアラルンプール】 日系テクスケム・リソーシズは、市況の不確実性に警戒しつつも、主要部門での成長機会を捉え、事業を拡大する方針を示している。

テクスケムの創業者で会長の小西史彦氏は第49回年次総会後の声明で、2022年度は厳しい年だったが、困難なビジネス環境を乗り越えて結果を出せたと言明。長期的な成長に関しては楽観的だが、市場の先行きが不透明なことから短期的見通しについては慎重な見方をしているとし、テクスケムの強みは、事業の多角化により障害を乗り越える柔軟性を持つことだと述べた

今後の方針として、工業部門では、特殊化学品の販売に注力し、利益率の高い製品を拡大していく。高分子材料科学部門では、医療・ライフサイエンス事業を拡大する。また、食品部門では、消費者心理の悪化による減速を緩和するために、付加価値の高い製品の割合を増やす。レストラン部門では、コスト効率の向上を図るとともに、回転寿司「すし金」の100万人を超える会員基盤を活用し、売上を伸ばす計画だ。
(ザ・サン、5月18日、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、5月17日)