【クアラルンプール=アジアインフォネット】 宇宙ベンチャーの天地人(本社・東京都中央区)は23日、23ー25日にクアラルンプール(KL)で開催される展示会「アジアウォーター」に出展すると発表した。

「アジアウォーター」はアジアで行われる最大規模の水関連イベントのひとつ。2024年のテーマは「水と気候変動:レジリエンスのためのイノベーション」で、水資源の持続可能な管理や効率的な利用を促進し、革新的なアイデアやソリューションを発展させることを目的としており、水処理、廃水処理、水資源管理、水供給、および関連ソリューションを提供する事業者が参加する。世界61カ国から約2万人が来場すると見込まれている。

天地人は漏水データの管理・再活用システムである「天地人コンパス宇宙水道局」を展示する。同システムは、複数の人工衛星が観測したデータ(宇宙ビッグデータ)やオープンデータから約100メートル四方の範囲内で漏水リスクの可能性区域を5段階で確認・管理できるクラウド型のシステム。日常的に漏水地点を登録・管理することで、蓄積したデータを基に人工知能(AI)が漏水リスクを再評価することも可能だ。2022年度の内閣府との実証実験や他自治体へのヒアリングに基づくと、点検費用の最大65%削減、調査期間の最大85%削減が見込まれるという。

天地人はアジア市場の開拓にも注力しており、サイバージャヤに2024年からマレーシアオフィスを設置している。「アジアウォーター」への参加を通じて、宇宙ビッグデータを活用した漏水リスク管理システムのアジアでの普及を加速させる。