【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 産業界は、規制緩和が進む中でオフィスやイベントなどの制限が残っていることに対して懸念を示し、再開を求めている。
マレーシア経営者連盟(MEF)のサイド・フセイン会長は、工場の操業は許可された一方、オフィスに対してはいまだに閉鎖された状態であるため、オペレーションの効率が悪くなっていると指摘。重要な決定は生産現場ではなく経営レベルで行われているため、意思決定者がオフィスで仕事をすることが必要とし、政府に対してワクチン接種を完了した従業員のオフィスへの出社を認めるよう提案した。
一方、マレーシア・ビジネスイベント委員会(BECM)のビンセント・リム会長代理は、映画館やギャラリー、美術展などの娯楽産業は再開したのに、展示会や会議などのビジネスイベントは禁止されたままであることに疑問を呈し、標準的運用手順(SOP)を遵守した上で、直ちに再開を検討するよう求めた。ビジネスイベント業界は、常に規制を遵守し、あらゆる展示会の秩序を維持してきた経験があると強調。ビジネスイベントには最低3ヶ月の計画が必要であり、かつ全国的に新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種率が80%に近づいている中、これ以上黙っていることはできないと述べた。その背景には、世界的なビジネスイベント開催を狙っているシンガポールやタイ、インドネシアなどのライバル都市に負けてしまうという恐れがあるという。
ビジネスイベント部門の国内市場規模は、2019年時点で2,750万リンギ。イベントを開催することにより、宿泊施設や交通機関など、他の関連産業にも雇用や収益をもたらしている。