【クアラルンプール】 パーム原油(CPO)価格が過去最高値を更新していることについて、マレーシア・パーム油委員会(MPOB)は、ロシアのウクライナへの軍事侵攻と石油輸出国機構(OPEC)による生産量の枠組み維持が影響していると分析。今後も上昇傾向が続くと予想している。
アハマド・パルビス・グラム・カディル長官は、原油価格が2月7日以降は100米ドルを超えており、2月28日に1バレルあたり103.87米ドルで取引されたブレント原油価格は3月1日は115.58米ドルに上昇したと指摘。バイオディーゼル原料としてのパーム油の魅力が高まって価格を押し上げていると分析した。また世界的な大豆油価格高騰が、食用油市場におけるパーム油需要を高めていることも価格上昇に繋がっていると指摘。2021年12月に1トンあたり1,457米ドルだった大豆油価格が、2022年1月には3.5%上昇して1,508米ドルになり、3月1日には1,804米ドルの高値で取引されたと指摘した。
また、食用油の競争相手であるひまわり油の主要生産地であるウクライナとロシアからの供給が紛争のために遅れるとみられることから、大口輸入国のインドがマレーシア産パーム油の輸入を増やす可能性があると指摘。モンスーンとアブラヤシ農園が直面している労働力不足により、生産量が2021年12月の145万トンから今年1月には125万トンに落ち込んだこともあり、価格上昇に繋がっていると分析した。
(エッジ、3月2日)