【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 連立与党政権の中核を占める国民戦線(BN)の構成党、統一マレー国民組織(UMNO)は、次期総選挙における「顔」となるべき党の推薦する首相候補に現職の首相であるイスマイル・サブリ・ヤアコブ党総裁補を推すことを決めた。

アハマド・マスラン書記長が14日に発表した声明によると、アハマド・ザヒド総裁(元副首相)が議長を務める党最高幹部会議においてイスマイル氏を推すことを満場一致で決定した。また同最高幹部会議では、イスマイル首相が就任時に野党連合・希望同盟(PH)との間で締結した「休戦協定」を継続しないことについても決定した。「休戦協定」は新型コロナウイルス「Covid-19」禍における政治混乱を防ぐために昨年9月に締結したもので、7月31日に失効することになっている。
 声明ではさらに審議入りが7月に延期となっている政党鞍替え防止法案について言及しており、党として法律制定を支持する立場を強調。法案成立を遅らせようとするいかなる党派とも妥協しないとしている。
3月に開催されたUMNO年次総会では、次期総選挙に向けて党内結束を図るため、総選挙から最長6カ月間、党役員選挙を行わないことを決定している。なお団体登録局(RoS)は、すでに延期されている党役員選を今年12月29日までに行うよう求めている。

BNを仕切るUMNOとの関係が悪化している汎マレーシア・イスラム党(PAS)も15日に声明を発表し、UMNOが首相候補としてイスマイル首相を推薦することについて歓迎する意を表明。国の安定や政界の調和に成功していると評価した。