【クアラルンプール =マレーシアBIZナビ】 伊藤忠商事(本社・東京都港区)は25日、マレーシアにおいて、発電のマラコフ・コーポレーションとジョホール州における水素・アンモニアを活用した脱炭素取組の事業化調査を共同実施する覚書を締結したと発表した。
覚書は、日本の経済産業省が主催する「第1回アジアグリーン成長パートナーシップ閣僚会合(AGGPM)官民フォーラム」で交わしたもの。覚書の下で、アンモニア受入基地の整備、マラコフ社が保有する石炭火力発電事業のアンモニア混焼・水素焚き新設ガスタービン火力発電所開発等による脱炭素化を、事業化調査と今後の協議を経て目指す。2050年までにカーボンニュートラル実現を目指すマレーシアの施策に沿った取り組みで、日本政府の掲げるアジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ(AETI)と連携し、進めて行くという。
また、同事業化調査対象地は海洋交通の要衝であるジョホール海峡沿いに位置しており、アンモニア受入基地整備は同発電事業の脱炭素化のみならず舶用燃料用途での供給、近隣工業団地への供給等、同地区の脱炭素化への貢献も期待されている。
伊藤忠商事は中期経営計画の基本方針の1つとして「SDGs」への貢献・取組強化を掲げ、その一環として水素・アンモニアによる次世代燃料バリューチェーンの構築を推進している。本件を通じ、エネルギー転換を目指すマレーシアの需要に応えると共に、かねてから進めているアンモニア燃料船開発と、世界的な舶用アンモニアのサプライチェーン構築の両面から構成される「統合型プロジェクト」とも協調し、脱炭素社会の実現に向け貢献していく方針だ。