【クアラルンプール】 洋上石油生産設備の建造、発電などを手掛けるインソン・ホールディングスの子会社、インソン・プロダクション(YP)が建造した洋上石油生産・貯蔵・積み出し設備(FPSO、船名アンナ・ネリー)がブラジルの沖合油田で7日、初の生産に成功した。これで発注者ペトロブラスによる25年間のチャーターが確定した。ペトロブラスは48年まで同FPSOで石油を生産する。
ペトロブラスは半官半民のブラジルの石油会社。19年10月にチャーター契約をYPと交わし、20年3月に正式契約を締結した。同年4月に住友商事が事業に25%出資した。

YPのFPSOがブラジルで運用されるのは初めて。YPは現在、ブラジルで使用されるFPSO2隻を建造中だ。

インソン・ホールディングスのプロジェクトマネジャー、スコット・ベンディクセン氏によると、アンナ・ネリーは全建造時間(1,790万人時)にわたり死傷者数がゼロだった。

住友商事の佐藤渉エネルギー開発部長は「アンナ・ネリーの運用はブラジル経済、地域社会に貢献する」とした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、5月12日)