【クアラルンプール】 内国歳入庁(IRB)は22日、来年6月から年間売上高1億リンギ以上の企業に対して、電子請求書の導入を義務化すると明らかにした。

モハマド・ニゾム・サイリ最高責任者(CEO)は、現在、電子請求書の仕組みを開発中で、来年6月に年間売上高が1億リンギ以上の企業を対象に試験導入を開始する予定だと述べた。対象企業数は約4,000社になる見込み。2025年1月から年間売上高5,000万リンギ以上に、2026年から2,500万リンギ以上に対象を広げ、2027年からは全企業に義務づける計画だ。

今回導入される電子請求書は、取引企業間で互いの取引文書を提示・監視し、取引契約の条件が満たされていることを確認するためのもの。ビジネス運営や税務管理の効率化を図り、脱税や非公式な経済活動をなくすことを目的としている。

モハマド・ニゾムCEOは現時点で脱税や申告漏れなどによる納税不足額が歳入の20ー30%を占めると推定されており、また、国内総生産(GDP)の約18%を税収が占めていると説明。今後は企業間取引(B2B)に電子請求書を適用し、その後、企業対個人間取引(B2C)についても導入を検討するとし、電子請求書の導入は、ビジネスの効率化やコスト削減に加え、税制を公正なものにする前向きな取り組みだと述べた。

テンク・ザフルル元財務相(現・投資貿易産業相)が昨年10月に発表した2023年度予算案にも、電子請求書の段階的導入が組み込まれていた。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月23日、エッジ、5月22日)