【クアラルンプール】 イスラム原理主義政党、汎マレーシア・イスラム党(PAS)のハディ・アワン党首は、党中央執行委員会が統一プリブミ党(PPBM)とのあらゆる協力関係を断つことを決定したと発表した。両党は野党連合・国民同盟(PN)の中核を成しており、今後予定されている選挙を前に野党が弱体化することが懸念される。
ハディ氏は、調査結果や両党間の関係に関する現状評価を考慮した上で決定したと述べた上で、党の最高宗教意思決定機関であるウラマー評議会が6月2日に同様の決定を下したことを支持したと表明。「政策、法律、公共の利益」を考慮したものだとし、近く開催される複数の州議会選挙と第16回総選挙を前に、イスラム教徒の結束を強化するため新たな政治的合意と選挙協力の形を模索していくと述べた。
一方、PNの副会長を兼任するPPBMのムヒディン・ヤシン党首(元首相)は、PASの決定に遺憾の意を表明した上で、PNに留まって野党連合を強化し続けると強調した。
PNは与党連合・希望同盟(PH)に対抗するために2020年にPPBMが中心になって設立され、マハティール・モハマド首相辞任後に政権奪取に成功。ムヒディン内閣が誕生したが、その後、連携先の統一マレー国民組織(UMNO)に政権を奪われ、次いで2022年の総選挙で希望同盟(PH)に敗北して下野した。その後もPNにとどまっていたPASだが、勢力が衰える一方であるにも関わらずPN内で主導権を握り続けるPPBMに対して不満の声が強まっていた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、チャンネル・ニュース・アジア、6月9日)