TMI総合法律事務所、KLに新拠点を設立へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 TMI総合法律事務所(本社・東京都港区)は17日、マレーシアの法律事務所SYテオ&コー(SYテオ)との新たな業務提携を通じ、「SYテオ&コー・イン・アソシエーション・ウィズTMIアソシエイツ」としてクアラルンプール(KL)に新拠点を設けると発表した。

SYテオは、TMIシンガポールオフィスに所属するヅィー・イーテオ弁護士が代表を務めるマレーシアの現地法律事務所。ヅィー弁護士は、マレーシア及びシンガポールの弁護士資格を有し、M&Aなどのコーポレート案件の経験を有している。

TMIは、2015年9月よりマレーシアの現地法律事務所チューイ・アンド・カンパニー(C&C)と業務提携を開始し、C&Cのジャパンデスクと協働するとともに、シンガポールオフィスにマレーシアデスクを設けることにより、マレーシアでのM&A、訴訟、不動産開発、労務、不正調査、知的財産権等の様々な案件に関与してきた。

今後は、紛争、プロジェクト案件等の大型案件に対応すべくC&Cとの業務提携は継続しつつ、新たに拠点を設けることにより、これまで以上に機動的かつ充実したリーガルサービスを提供していく方針だ。

マレーシアのグリーン投資、昨年10億米ドルに急増=米調査

【クアラルンプール】 マレーシアの2023年のグリーン投資は、前年比326%増の10.3億米ドル(49.2億リンギ)に急増した。東南アジア全体では前年比20%増の63億米ドル(301億リンギ)となり、マレーシアは16.3%を占めた。

コンサルティング会社の米ベイン・アンド・カンパニーは、グリーン投資のジェンゼロ、スタンダード・チャータード銀行、シンガポール政府系投資会社テマセクと共同で作成した「東南アジアのグリーン経済2024」リポートの中で、電力、特に再生可能エネルギーがグリーン投資の中心となっているが、2023年はグリーン・データセンターへの投資の増加や廃棄物管理への投資が増加したと述べた。

具体的には、ヌサジャヤ・テックパークへの2億8,000万米ドル(13億4,000万リンギ)、クライへの2億5,000万米ドル(11億9,000万リンギ)の投資など、ジョホール州のデータセンターへの大規模な投資が貢献した。

リポートでは、国内グリーン・エネルギー開発を加速させるため、混合金融の導入の推進や自然エネルギー規定の整備、工業団地の推進を継続することが重要だとしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、4月16日)

GDEXがIT事業に多角化へ、宅配事業の競争激化で

【クアラルンプール】 宅配サービスのGDEXは、情報技術(IT)サービス・ソリューション事業への多角化を計画している。

GDEXが16日付けでブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、同社は2023年度までの3年間、売上高の85%以上を占める宅配事業に依存してきたが、外資系宅配業者との競争激化の影響を受け、赤字が継続している。そのため、IT事業への多角化に向け、2022年にウェブ・バイツ、スイートマグ・ソリューションズ(M)、アノン・セキュリティというIT企業3社の株式をそれぞれ38%、51%、60%取得した。GDEXは3社を通じ、Eコマースやウェブサイト開発、業務用ソフトウェア、サイバーセキュリティ・コンサルティングなどのITサービス・ソリューション事業に参入する。多角化は今年第2四半期までに完了する予定で、UOBケイヒアン・セキュリティーズ(M)がアドバイザーを務める。

GDEXの2023年度のITサービス・ソリューション事業の売上高は3,340万リンギ(総売上高の8.4%)だったが、人材採用の拡大に伴う人件費の増加により、税引き後損失100万リンギを計上した。GDEXは事業規模の拡大によりIT部門の業績が好転すると見込んでおり、IT部門は今後、グループの純利益の25%以上を占めると予想しているという。他IT企業への投資や買収、提携などについても検討するとしている。
(ザ・スター電子版、マレーシアン・リザーブ、エッジ、4月16日)

フォーブス長者番付、クオック氏がマレーシア人1位を堅持

【クアラルンプール】 米経済誌「フォーブス」は15日、2024年版のマレーシア長者番付を発表。精糖業で財をなしたロバート・クオック氏がトップを堅持した。推定純資産は115億米ドル。

2位はクエック・レンチャン氏(ホンリョン・グループ)で、推定純資産は88億米ドルだった。3位はテー兄妹(パブリック・バンク)で、推定資産額は54億米ドル。4位はリー・ヨーチョー氏とリー・ヨーセン氏(IOIグループ、53.5億米ドル)、5位はクーン・ポーキョン氏(プレスメタル、53億米ドル)だった。IOIグループは初のトップ5入りとなった。

6位以下は、▽アナンダ・クリシュナン氏(マキシス、48億米ドル)▽フランシス・ヨー氏(YTL、47億米ドル)▽ジェフリー・チア氏(サンウェイ、24億米ドル)▽リム・コックタイ氏(ゲンティン、22億米ドル)▽チア・ソンクン氏(QLリソーシーズ、18億米ドル)ーーが続いた。

フォーブスによると、マレーシアの株式市場は前年比で9.0%成長したが、リンギ安が一部相殺したため、上位50人の総資産額は2%増の834億米ドルにとどまったという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレー・メイル、4月16日、フォーブス発表資料)

マクドナルド店内で顧客を脅迫、反イスラエル派5人が逮捕

【クアラルンプール】 外食チェーンのマクドナルド店舗で顧客を脅迫したとして、同店のボイコットを呼びかけていた反イスラエル派5人が逮捕された。ガザ地区に侵攻しているイスラエル軍に同国のフランチャイズ運営会社が無料で食事を提供したとして、イスラム急進派の一部がマクドナルドのボイコットを呼びかけている。

事件はパハン州クアンタンの店内で発生。家族連れで食事をしていた男性に対して、反イスラエル派が侮辱する発言をし殴ると脅迫するなどした。男性は警察に被害届を提出し、自動車セールスマン、銀行員、軍関係者の3人が13日に、建設請負業者と貿易業者の2人が14日にそれぞれ逮捕された。警察の取り調べに対し、1人は容疑を認めているが、4人は否認している。

各国でのボイコット騒動に悩むマクドナルドは先ごろ、イスラエルで225店舗を展開し5,000人以上を雇用しているアロニアル社から、30年間続いた同国のフランチャイズを買収すると発表していた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、4月15、16日)

回転寿司のスシロー、マレーシア進出に向け現地法人を設立

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 回転寿司「スシロー」を運営するフード&ライフ・カンパニーズ(F&LC)は16日、マレーシアへの店舗進出に関する調査・検討を目的として 現地法人「スシロー・マレーシア」を5日に設立したと発表した。

スシロー・マレーシアは、F&LCの100%子会社である「スシローGHシンガポール」の子会社となり、F&LCにとり孫会社となる。

スシロー・マレーシアはまた、より具体的な店舗進出に向けた取り組みを行うため、16日付けで増資を行うことを決定した。増資額は99万9,999リンギ(約3,200万円)で、そのうち49%をスシローGHシンガポール、51%を現地パートナーが引き受ける。増資後の資本金は100万リンギ(約3,200万円)となる。

スシローは、東アジアでは韓国、台湾、中国に店舗を構えており、東南アジアではシンガポール、タイ、インドネシアの3カ国に進出している。

格安ホテル、運営コスト上昇で最大40%値上げも=業界団体

【クアラルンプール】 マレーシア・バジェット・ビジネスホテル協会(MyBHA)は、運営コストの上昇に伴い、格安ホテルが今後数カ月以内に宿泊料金を30ー40%値上げする可能性が高いと警告した。

MyBHAのガネーシュ・ミシェル会長は、ホテル経営者は、光熱費、ランドリーやメンテナンスの費用、ソフトウェア使用料などの運営コストに基づいて宿泊料金を調整するとし、3月にサービス税(SST)の6%から8%への引き上げが行われ、また今後電子請求書システムの使用義務も課されるため、運営コストは上昇すると述べた。格安ホテルの料金を維持するためには、電力会社テナガ・ナショナル(TNB)が特別料金を設定するなど、何らかの支援が必要だとしている。

ガネーシュ会長は、宿泊料金の値上げ幅はホテルの格付けによって異なるとし、コストをカバーするためにすでに料金を引き上げているホテルもあるとした。また、無許可の宿泊施設が格安ホテルを脅かしているとして、その規制について国内取引物価省に働きかけるとしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・バイブス、4月15日)

第1四半期のGDP、みずほ銀行は3.9%への加速を予想

【クアラルンプール】 みずほ銀行は、マレーシアの第1四半期の国内総生産(GDP)成長率が3.9%に加速したとの推測を示した。輸出とインバウンド需要の増加が消費支出の減少を補ったという。昨年第4四半期のGDP増加率は3%だった。中央銀行バンク・ネガラは19日に第1四半期の速報値を発表する。

みずほ銀は顧客への情報提供で、製造業は工業部門全体より業況が良好でなく、生産高の増加率には慎重な見方を維持しているとした。昨年第4四半期のGDPは前期比では2.1%の減少で、製造業の縮小と世帯支出の鈍化が影響した。

みずほ銀によると、1-2月の工業製品の輸出入は名目ベースで増加率が加速しており、電気・電子製品の景気循環は底を打ったと思われる。

飲食品生産の増加率はここ数カ月、大幅に減速し、小売業販売額は減少傾向にあり、こうした内需面の足かせは注視が必要だ。しかし旧正月中の外国人観光客の増加と消費の拡大がサービス業の売り上げに貢献したという。
(エッジ、4月15日)

【イスラム金融の基礎知識】第542回:イスラム観光貿易博覧会が8月に開催、イスラム金融も参加

第542回:イスラム観光貿易博覧会が8月に開催、イスラム金融も参加

Q: イスラム観光貿易博覧会とは?

A: マレーシアの観光団体が、昨年に引き続いてイスラムに基づく観光と貿易の博覧会開催を発表した。イスラム金融も参加することでマレーシアが標榜するハラル・エコシステムを実体化する象徴的なイベントとなりそうだ。

第2回アジア・イスラム観光貿易博覧会(AITEX)の開催を発表したのは、マレーシア旅行会社協会(MATA。PWTCでMATTA Fairを開催しているマレーシア旅行業協会、MATTAとは別団体)である。世界各国が加盟するハッジやイスラム観光に関する国際機関などと共催で、セランゴール州のサンウェイ・リゾートで8月に開催するとしている。主催者によれば、この博覧会では業界関係者・企業、各国の観光局等がブース出展を行うとともに、観光業界やイスラム金融業界の会合も行なわれるとしている。

イスラムに基づく観光とは、ハッジやウムラといったメッカ巡礼、あるいはインドネシアのワリソンゴ(9名の聖者)の足跡をたどるような聖者廟参詣からなる聖地巡礼とともに、通常の観光ながら礼拝の時間と場所を確保したり、立ち寄るレストランがハラルであるなど、イスラムの教義に違反しないようアレンジされた観光を指す。

ムスリム向け観光を提供する観光業者は、イスラムの名を冠するビジネスを行う以上、従来型銀行ではなくイスラム銀行から融資を受けるべきとみなされる。その分融資の際には、ハラル産業のノウハウを蓄積しているイスラム銀行からアドバイスを受けることも可能だろう。イスラム金融は、単なる資金の出し手ではなく、知識・ノウハウやビジネスマッチングの紐帯としての役割も期待されている。イスラムの教義と信仰実践がビジネスや経済に結びつくハラル・エコシステムは、マレーシア政府が推し進めている経済のあり方だ。この考えを実践するための象徴的イベントといえるのが、この8月の博覧会だろう。

福島 康博(ふくしま やすひろ)
立教大学アジア地域研究所特任研究員。1973年東京都生まれ。マレーシア国際イスラーム大学大学院MBA課程イスラーム金融コース留学をへて、桜美林大学大学院国際学研究科後期博士課程単位取得満期退学。博士(学術)。2014年5月より現職。専門は、イスラーム金融論、マレーシア地域研究。

近隣諸国とのグリーン電力取引を行う「エネルギー取引所」を設立

【クアラルンプール】 エネルギー移行・水利転換省(PETRA)は15日、近隣諸国とのグリーン電力取引を促進するため、「マレーシア・エネルギー取引所(ENEGEM)」を設立すると発表した。

PETRAの声明によると、ENEGEMではまず試験プロジェクトとして、マレー半島とシンガポール間の既存の相互接続インフラを利用し、シンガポールに対して合計100メガワット(MW)の送電を行う。入札が可能なのはシンガポールで発電・小売ライセンスを保有している再生可能エネルギー(RE)事業者で、入札開始前に資格審査が行われる。16日よりPETRAのウェブサイトなどから登録を受け付ける。

ENEGEM上での取引は、エネルギー委員会による「越境電力販売ガイド(CBES)」最新版に基づき行われる。また、ENEGEM管理のために、電力会社の政府系テナガ・ナショナル(TNB)から半島部の電力計画と調達を管理する機能を切り出し、電力供給全体を管理する唯一の組織(シングルバイヤー)として独立させる。

PETRAは、ENEGEMの設立は、マレーシアのエネルギー移行や、ASEAN(東南アジア諸国連合)加盟国間で送電網をつなぐ「ASEANパワーグリッド(APG)構想」に沿ったもので、まずはシンガポールなど、二国間ベースで地域を接続し、その後徐々に拡大を図りながら東南アジア全域を統合した送電網を構築していくと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、フリー・マレーシア・トゥデー、4月15日)