【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 カイリー・ジャマルディン保健相は22日、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンの追加(ブースター)接種のスピードアップを図るため、追加接種をもってワクチン接種完了とみなす方向で基準を変更する可能性があると明らかにした。
カイリー氏は「ニュー・ストレーツ・タイムズ」の取材に対し、現時点では追加接種を奨励する活動を通じて接種率を上げているが、いまだに接種率は低いレベルにとどまっていると指摘。次の段階として「ワクチン接種完了」のステータスを得る条件に追加接種を含める可能性もあると警告した。カイリー氏は先ごろ、追加接種の予約通知が来たにも関わらず接種会場に現れなかった人が全体の40%に上るとして警告していた。
カイリー氏は、このところ新型コロナ入院患者が増加傾向にあることに言及し、ほとんどが濃厚接触した高齢者と基礎疾患がある人だと指摘。更なる感染再拡大を抑えて医療崩壊を防ぐためには追加接種が必要だとして、国民に追加接種を急ぐよう呼び掛けた。
CovidNowポータルによると、病床使用率は11月21日時点でトレンガヌ州が85.9%、クランタン州が83.3%、マラッカ州が81.2%と、3州で病床使用率が80%を超えている。ケダ州、ラブアン、ジョホール州も70%を超えて80%に近づきつつある。集中治療室(ICU)についてはプトラジャヤやセランゴール州など3州2地域で70%を突破している。
カイリー氏は前日の21日、移動制限が解除されたことからマレーシアにおける新型コロナのエンデミック(特定感染)化するのはまだ先になるとの見方を表明。感染再拡大に備えて、早期に予兆を検知するための強化された警報システムを近く導入すると発表した。